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コラム

不動産投資の特権 節税効果が大きい”減価償却費”とは?―知らなきゃ損?!Dr大見の資産形成塾(8)

2017年8月28日

これまでの連載で、損益通算などの税制があるため、不動産投資で赤字を出すことは決してデメリットだけではないという点を解説してきました。ただ、不動産投資が節税につながる大きな要因はこれだけではありません。今回はその鍵となる「減価償却費」をいう経費について、紹介したいと思います。

減価償却費とは

減価償却費とは「建物の経年劣化」にかかる価値の減損のこと。
例えば1億円の賃貸物件(土地の価格が3000万円、建物の価格が7000万円)を購入したとします。この時注意しておきたいのは、土地と違い建物は年月とともに劣化していくということです。劣化による価値の減損を経費として計上できるのが「減価償却費」です。

建物の耐用年数は構造によって異なります。建物の構造にはRCや鉄骨造、木造など様々なタイプがありますが、ここでは木造の建築物を例に見ていきましょう。木造の建築物の耐用年数は22年と決まっています。つまり上の例でいうと7000万円の新築木造物件は22年をかけてその価値を現存していくことになるのです。

1年間の減価償却費
7000万円×0.046(償却率)=322万円

要するに、年間の家賃収入から322万円もの経費を現金の支出なしに計上できるため、節税をする上で非常に大きなポイントとなります。

節税効果は23年目まで 減価償却費の注意事項

ただし減価償却費にも注意が必要です。
木造物件の場合は22年で耐用年数を超えてしまい、それ以降は減価償却費を経費として計上することができません。23年目以降は現金の支出なしで経費として計上できた減価償却費がなくなるため、税負担が大きくなる可能性があります。

また減価償却費は売却時にも大きく関わります。土地3000万円、建物7000万円の物件を22年間所有し、減価償却費を計上できなくなったタイミングで売却するとします。もともと土地建物を含めて1億円の物件でしたが、経年劣化による収益率の低下などにより7000万円で売却したとします。

物件の取得費が1億円、減価償却費が7000万円、売却価格が7000万円の場合の売却益は…

7000万円(売却価格)-【1億円(取得費)-7000万円(減価償却費)】
=売却益4000万円

上記のように4000万円の売却益が出たこととなり、譲渡所得税が発生します。

減価償却費は節税を行い、物件運営のキャッシュフローを改善させるためには非常に効果的です。しかし減価償却費を経費として計上しているほど、売却益が出やすくなり譲渡所得税を納める必要が出てきます。

物件を早く売却するか、長期保有して減価償却費の恩恵に授かるか

不動産投資を行う上で重要なのは「出口戦略」をしっかりと考えることです。所有した物件を長期的に保有するのか、もしくは中短期的に売買をして売却益で利益を出そうとするのか、ということです。長期的に保有するつもりならば減価償却費は日々のキャッシュフローを改善させる強い味方のため、なるべく長く、大きく取れるような物件を選ぶとよいでしょう。しかし中短期的な保有に限る場合は売却益が出やすくなってしまうため、減価償却費は控えめにした方がいいかもしれません。このバランスは不動産投資を始めるときの大きな悩みの種になります。もし不動産投資を始めるならば、信頼できる不動産会社や税理士を見つけて、将来的な目標とともにどのような物件が適しているかを相談するようにしましょう。

同テーマの記事シリーズはこちら
大見 貴秀
おおみ たかひで
麻酔科医

フリーランスの麻酔科医。常勤医からフリーランス医になった時の税制の違いに驚き、日本の税制について幅広く勉強する。フリーランスの麻酔科医として就業する傍ら、資産形成を目的として様々な事業展開を行っている。医師としての活動のほか、不動産賃貸業、茶葉通販業、法人の代表取締役として活動中。フリーランスの税制、医師や高所得者の節税、医師の資産形成などの情報発信を行っている。

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