大見貴秀(おおみ・たかひで)
もし不動産投資の失敗で自己破産してしまい人生が台無しになってしまったら―極端かもしれませんが、そんな不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか?不動産投資には、「失敗しやすそう」というイメージがつきもののように思います。たしかに、ある程度の初期投資が必要ですし、失敗もありますが、不動産投資の場合、要点を掴んでおけば実際に自己破産してしまう、もしくはリカバーできないほどに借金を負ってしまうことはほとんどなく、最終的な収益はプラスで終われることのほうが多いと私は思います。今回は、不動産投資をすべきか迷っているときに抱きがちな疑問点に答えます。
運用額が大きい不動産投資は、リスクも大きく見える
そもそもなぜ、不動産投資は失敗しやすそうに映るのか。大きな理由として、金融機関から巨額の融資を受けて行うことが多い点が挙げられます。
最近は若干、金融機関の不動産投資への融資が厳しくなっていますが、2015年などは本当に不動産投資業界の景気がよく、物件購入費のほぼすべてを融資で賄うことも可能でした。例えば1.5億円の物件ならば数百万円ほどの初期費用さえあれば、金融機関からの融資で不動産物件を購入することが可能だったのです。今でこそ、若干厳しくなっていますが、それでも信用や実績のある人に対して融資がおりやすいことに変わりはありません。
よほど資金に余裕がある人を除いて、不動産投資にチャレンジする場合は大抵、銀行やその他の金融機関から融資を受けることと思います。このように、他社の金銭で自分の投資を行うことをレバレッジといい、自分の資産にそこまで余裕がなくても、投資を行えるレバレッジの高さは「不動産投資の最大のメリット」の一つでもあります。
金融機関から融資を受けると当然、借入金が発生し、毎月の元本と利子を返済する必要があります。多額の資金を借入れたのに、もし思うようにいかなかったら――そんな不安が募るのは、ある意味当然かもしれません。ただ、金融機関も収益性の低い物件には融資を出す判断をしないはず、という点も頭に入れておくと良いとは思います。
もちろん運悪く、退去者が続くことで家賃収入が返済金額を下回ってしまうと、返済を不動産物件運営だけで賄うことができなくなる可能性はあります。また大きな修繕が必要になり、一時的に現金が少なくなってしまい返済ができなくなってしまうことも考えられます。返済が家賃収入だけで賄えない時期が増えると、貯金や給与から返済をする必要が出てきます。貯金や給与などからも支払えなくなったら、それは企業の倒産のように現金が底をつき破綻したことを示します。しかし、以下の2つの理由もあって、実際はそこまで悪い状況になることはほとんどありません。
不動産投資のリスクを考えるときに踏まえておきたい2つのポイント
まず不動産投資の場合、FXや株式と異なり、いきなり価値が下がるということが少ない点が挙げられます。FXならば短期的に為替が変化した場合、株式ならばその会社が倒産した場合、それぞれ価値は限りなく下がるか0になります。FXや株式を信用取引などでレバレッジをかけていると、そういった時に大損をしていまいます。
しかし不動産物件は資産価値が0になることはありません。たとえ入居者が少なくなり、一時的に家賃収入が少なくなったとしても土地や建物の価値は残り続けます。また不動産投資の基本は長期保有です。10年単位で持ち続けることが前提となるため、月々の返済で残債(借入の残り)は減っていきます。10年20年所有し続けていると一時的に入居率が下がってしまい、不安になることもあるでしょう。しかし残債が減っているならば売却して、黒字を出すことも可能です。資産価値が0になることはない、これは不動産投資への不安を解消する重要なポイントになるのではないでしょうか。
もう一点、医師は不動産投資ととても相性がよいことも不安を解消させるポイントとなります。医師は一般的に年収が高く、支払うべき税金も大きくなりがちです。不動産物件の多少の収益率の悪化で、給与からの返済が発生したとしても確定申告により、「損益通算」することができるのです。損益通算については過去の記事で解説していますが、不動産賃貸業で出た赤字を課税所得と合算して税金の還付を受けられる仕組みです。詳しくはこちらをご覧ください。
不動産は価値が0になることはなく、医師と非常に相性のよい投資です。資産形成をしたい、フリーランスなので年金代わりの収入源が欲しい、税金に困っている、そんな人は一度考えてみてはいかがでしょうか。
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