「産業医」というキャリアに興味を持ちながらも、「専門科目外だから難しいのでは?」と一歩踏み出せずにいる方も多いと思います。しかし、どんな専門科の医師の方であっても産業医を始めることができます。 臨床の現場で多くの患者さんと向き合ってきた先生のご経験が、働く人の健康を守る産業医として必要とされています。 本記事では、産業医として働き始めるにあたってよくある疑問と解消法についてお伝えします。
専門科目外では産業医が難しいと感じる理由
①労働衛生、関係法令知識への不安
産業医は労働安全衛生法などの法令をはじめ、職場環境改善、メンタルヘルス、健康診断結果の判定、過重労働対策など、多岐にわたる産業保健の知識が求められます。
これらは臨床医学とは異なる領域であるため、学び直しが必要になるのではないかと不安に感じる先生は多いでしょう。
②自身の専門性が活かせないのではないか?という懸念近年では職場のメンタルヘルス問題が話題になることから、産業医は精神科領域の役割が中心であるというイメージもあります。
精神科を専門としていない先生は、自分のスキルが活かせないのではないかと懸念するかもしれません。治療を直接行う機会がない産業医の仕事は、臨床医としてのやりがいとは異なるのではないかと感じる先生もいるでしょう。
産業医の仕事には臨床の経験を活かせる
意外に思われるかもしれませんが、臨床医として培ってきたご経験は、産業医のお仕事でも大きな強みになります。
内科や外科、小児科など、専門分野は違えど、患者さんと向き合ってきた経験は、働く人々の健康課題を多角的に理解する上で非常に役立ちます。生活習慣病の指導や、がん治療と仕事の両立支援など、幅広い知識が求められる場面で真価を発揮します。
また、診察を通じて培われたコミュニケーション能力も大いに役立ちます。産業医は経営者、人事担当者と円滑な関係を築くことが求められるからです。従業員との面談のシーンでもコミュニケーション能力は強みになります。
産業医の仕事について理解を深める
産業医になるためには、医師免許に加え日本医師会等から産業医として認定される必要があります。認定には産業保健に関する専門的な講習を受ける必要があるため、土台となる知識はこうした機会で身につけることができます。
また、産業医の資格を取得後もセミナー等に参加することで、産業医として働く際のイメージがしやすくなるでしょう。
例えば、日本医師会や産業保健推進センターが主催する研修会や学会をはじめ、民間のヘルスケアサービスがセミナーを行っていることもあります。
まとめ
「専門科目外だから産業医は難しい」ということはありません。
むしろ、これまでの臨床経験は、働く人々の健康課題をより深く理解し、解決に導くための貴重なスキルとなります。
産業医という仕事は、単に病気を治すだけでなく、病気を未然に防ぎ、働く人々が心身ともに健康でいられるように支える、非常にやりがいのある仕事です。
臨床医として培ってきた知識、経験、そしてコミュニケーション能力を武器に、ぜひ一歩踏み出してみてください。
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