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企業(産業医・MD・社医)

産業医のスキルアップや職場で役立つ3つの資格

2025年11月20日

産資格の取得は産業医として活動していく上でとても役立ちます。本記事では、産業医が知っておきたい専門性の高い資格を紹介します。

[目次]非表示
  1. 労働衛生コンサルタント
  2. 衛生管理者
  3. 健康経営アドバイザー

労働衛生コンサルタント

資格の概要

労働衛生コンサルタントは、事業場の労働衛生水準を向上させるための専門家です。 取得により、有害業務における作業環境測定、作業方法の改善、健康管理、労働衛生教育など、幅広い労働衛生に関する専門知識を得ることができます。

単に産業医として活動するだけでなく、より専門的な視点から事業場の課題を解決する能力が身につきます。

資格が役立つ場面

特定の有害物質を扱う化学工場や、騒音・振動が発生する製造業など、専門的な知識が必要な職場で特に役立ちます。

また、企業が労働安全衛生法に基づいた改善指導を求められた際、具体的な対策を提案するコンサルタントとして企業から契約をもらうこともできます。産業医業務の幅を広げ、企業からの信頼を高めることに繋がります。

取得方法

厚生労働大臣が行う国家試験に合格する必要があります。

受験資格は医師または歯科医師、または大学院で労働衛生工学に関する科目を修め、所定の

実務経験を持つ者などです。合格後、登録を行うことで資格が付与されます。

資格の詳細は以下のホームページからご確認ください。

公益財団法人 安全衛生技術試験協会

衛生管理者

資格の概要

衛生管理者は、労働者の健康障害を防止するために、職場環境の衛生的改善、健康診断の実施、労働衛生教育などを行う専門家です。50名以上の事業場においては衛生管理者の配置が義務となっていますので、企業の人事や総務担当者が取得することも多いです。

取得により、労働安全衛生法に基づく衛生管理体制や、労働衛生に関する基本的な知識を体系的に学ぶことができます。

資格が役立つ場面

事業場の労働環境を法的に適切に管理するために不可欠な資格です。特に、従業員の健康診断結果の管理や、労働時間の把握、ストレスチェックの実施など、日常的な健康管理業務において役立ちます。

衛生管理者の視点を持つことで、産業医としての役割をより幅広く、かつ効果的に遂行できます。

取得方法

厚生労働省が実施する衛生管理者試験(一種または二種)に合格することで、資格を得ることができます。医師免許を持つ場合は、試験科目が一部免除されます。

資格の詳細は以下のホームページからご確認ください。

公益財団法人 安全衛生技術試験協会

健康経営アドバイザー

資格の概要

「健康経営」とは、従業員の健康を単なるコストではなく、企業が持続的に成長するための「資本」と捉えて戦略的に投資する経営手法です。この資格を取得することで、健康経営の概念、実践方法、具体的なメリットなどを体系的に理解できます。

なお、資格には2種類あり、健康経営アドバイザーは初級、健康経営エキスパートアドバイザーが上級の位置付けです。上級は初級取得後に、所定の資格保有または実務経験が必要となり、より難易度が高いです。

  • 健康経営アドバイザー(初級): 基本的な知識の普及や、取り組みの推進を担います。eラーニングで取得可能です。
  • 健康経営エキスパートアドバイザー(上級): より専門的な知識で、企業ごとの課題抽出・具体的施策の提案・実行支援(PDCAサイクル支援など)を担います。
  • 資格が役立つ場面

    産業医が経営層や人事担当者と議論する際に、医学的な視点だけでなく、経営的な視点も加えることができます。例えば、「この健康プログラムを導入すると、従業員の生産性向上や医療費削減に繋がり、結果的に会社の利益に貢献する」といった、説得力のある提案が可能になります。企業のビジネス戦略と従業員の健康を両立させる橋渡し役として、より価値のある存在になれます。

    取得方法

    東京商工会議所が実施するオンラインの検定試験です。公式テキストで学習し、オンライン上で試験を受けて合格することで資格が付与されます。比較的短期間で取得できるため、キャリアアップの一環として取り組みやすい資格です。

    資格の詳細は以下のホームページからご確認ください。

    東京商工会議所

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