
転職活動の結果、地元にある2つの病院から内定を得て、急性期病院に入職することに決めた消化器内科医のK先生。ご自身の転職活動を振り返り、「内科系だったら40代前半で転職してもいいと思う」と語る理由とは――。(取材日:2020年11月5日)
常勤先のみならず、非常勤先も決定

——急性期、療養型それぞれの病院から内定が出て、急性期病院への入職を決めた理由を教えてください。
入職する時点で47歳、急性期病院でもう少し頑張れる年齢です。けれども、これまで働き詰めで疲弊してしまい、ゆっくりしたい気持ちがあったのも事実。悩んでも決めきれず、コンサルタントに胸の内を明かしたところ、「急性期に未練があるなら、そちらに進んだ方がいい」と助言してくれました。残りの医師人生、自分の体力を考えると、急性期病院でバリバリ働ける時間の方が短い。それならば、できる限り急性期で頑張りたいと考えていることに気付いたのです。 消化器内科の常勤医がいないところに入職するので、前職ほどではなくとも、ある程度は忙しくなることは予想できました。けれども、私は何も無いところから開拓することが好きなタイプ。そういった環境も自分には合うだろうと思い、入職を決意しました。
とはいえ、このまま療養型病院との縁がなくなってしまうのは残念だとも感じていました。その気持ちをコンサルタントが察したのか、先方に内定辞退の連絡をする際、非常勤医の採用ニーズを聞いておいてくれたのです。
——その結果、急性期病院で常勤医として、療養型病院で非常勤医として働くことになったのですか。
そうなんです。急性期病院は週4.5日勤務なので、療養型病院は1日のみ働かせてもらう話にまとまりました。先方が私のことを高く評価してくださったようで「ぜひお願いしたい」と。ありがたい話ですよね。その分の収入もプラスされて、結果的には希望年収を大幅に上回ることになりました。願ったり叶ったりとは、まさにこのこと。1人で転職活動を進めていたら、今回のような結果にはならなかったと思います。
——医局に「辞める」と伝えて、スムーズにいきましたか。
教授はびっくりした顔をされていましたが、強く引き留められることはありませんでした。退局意思は入職日の半年前に伝えたので、引き継ぎもスムーズだったと記憶しています。ただ、辞めると決まったあとに、前勤務先には、私が切望していた機械が導入されました。もう少し早く来てほしかったですね(笑)。
転職活動は「捨てる神あれば拾う神あり」

——転職して約1年半経ちましたが、いかがですか。
転職が決まったことを同期やお世話になった人たちに報告したとき、みんな「地元に帰れてよかったね」「地元が一番だよ」と言ってくれました。実際に働くようになって、本当にそうだなと日々実感しています。両親の面倒を見ることができて、家族と過ごす時間が増えて──。何かあれば地元の友人、先輩・後輩が私のことを頼りにしてくれて、それに応えられること、自分の生まれ育った地域に医療で恩返しができることが何よりもうれしいです。
急性期病院では、これまで学んだことを活かして働けていると思います。悪い状態から良い状態になっていく患者さんを見ると、やはりやりがいを感じますね。院長先生は、現場のことは現場に任せるお考えの方で、私にはそれが合っていると感じています。
消化器内科常勤医が私だけなので忙しくはありますが充実していますし、スタッフのみなさんが協力的で助けられています。当直は月2回で土日は免除、当直明けは外来のみで身体への負担もかなり軽減されました。療養型病院は一般内科担当なのでいろいろな患者さんを診ないといけないですが、常勤先と比べて患者さんをゆっくり診察することができていいですね。また、常勤先で診た患者さんを非常勤先で診ることもできるので、1人の患者さんを長く診ることができて良いなと思います。
——転職活動を振り返って、どのように感じていますか。
「捨てる神あれば拾う神あり」、これに尽きると思います。
探せば自分を必要としてくれるところがあると実感しました。実は、前職を辞めると決めたとき、疲れているのに1~2時間しか眠れない時期がありました。今思えば、少し鬱っぽくなっていたのでしょう。そのようなときに、信頼できるコンサルタントの方に出会えて、いろいろ話を聞いてもらって、精神的にかなり支えてもらいました。
入職希望先での面接でも、1対1では聞けないようなこと──年収や休みなどについても、私の代わりに切り込んで質問してくれて、助かりました。面接に同席してくれたことも、心強かったです。現在、オンコールは月7日ですが、本当は10日だったんです。それも面接時に「10日は多いので減らしてもらえませんか」と提案してくれて、今に至ります。転職先が決まってからは、おかげさまでぐっすり眠れるようになりました。
——以前の先生のように、転職するか迷っている方にメッセージをいただけますか。
転職するか迷っている人には、「迷っているなら、踏み切った方がいい」と伝えたいですね。私は47歳で転職しましたが、自分自身の経験を踏まえて、内科系だったら40代前半で転職してもいいのではないかと思っています。40代前半はまだ体力もあるし、技術的にも脂がのってくる時期です。
実際に、私の同期もそれくらいに退局する人たちが多かったです。40代後半になると体力が落ちてきて無理がきかなくなるので、バリバリ働きたいのであれば、早めに動くことを強く勧めたいですね。
ただ、個人的には30代ではまだ早いと思います。長らく医局に在籍していた身としては、基礎を学び、1人前の医師にしてくれたのは、やはり医局人事だったと感じているので、ある程度は医局人事の中で研鑽を積んだ方が良いかと。キャリアについて考えたときに、「自分はどうしたいのか?」と自問自答した結果、今よりも自由がきく環境の方が良いのであれば、動くタイミングだと思います。
- 医師20年で退局。新天地は募集してない地元病院―転職ドクターの本音vol.1(前編)
- 47歳で実感、「内科系の転職は40代前半に」―転職ドクターの本音vol.1(後編)【本記事】
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