産業医のキャリアパスには様々なものがあります。臨床医として働くかたわら嘱託産業医として企業の健康を支える方法もあれば、専属産業医としてより深く健康経営にコミットするという道もあるでしょう。 産業医の仕事は社会貢献性が高く、臨床とは一味違ったやりがいのある仕事です。 ここでは、産業医になるための第一歩から、その後のキャリアの積み方、そして将来的な選択肢について紹介します。
産業医の始め方「1社目の壁」を超えるには
産業医としてのキャリアを築く際、多くの方にとって課題となるのが「1社目の壁」をいかにして超えるか、というテーマだと言われています。
初めての産業医案件を獲得する主なルートは以下のものがあります。
- エージェントの活用:産業医の求人を専門に扱うエージェントに登録し、希望条件に合った案件を紹介してもらうのが最もポピュラーな方法です。
- 転職サイトへの登録:医師向けの転職情報を取り扱うサイトでも産業医の求人が掲載されていることがあります。
- 知人からの紹介:学会や勉強会への参加を通じて人脈を形成し、案件の紹介が受けられるケースもあります。
- 医局・講座からの紹介:大学の医局や関連講座から紹介を受けることもあります。
- 医師会・健診機関からの紹介:地域の医師会や健診機関が産業医案件をまとめていることがあります。
産業医のキャリアの積み方
産業医としてのキャリアは、大きく分けて嘱託(非常勤)産業医と専属(常勤)産業医の2つの働き方があり、それぞれにキャリアの積み方が異なります。
嘱託産業医の場合
嘱託産業医は、病院やクリニックで臨床医として働きながら、月に1回から数回、企業に訪問するケースが多いです。
- 契約社数を増やす:最初の1社と契約できれば、その後は求人サイトや紹介を通じて応募を繰り返し、契約社数を増やしていくのが一般的です。複数の企業を担当することで、多様な業種や規模の事業場での経験を積むことができます。
- 専門性を高める:特定の分野(メンタルヘルス、がん患者の両立支援など)に強みを持つことで、より専門的な産業医として活躍できます。
- 独立系産業医:経験を積んだ後、個人事業主として独立し、複数の嘱託案件を抱える「独立系産業医」として活動する道もあります。これは自由度が高く、自身の裁量で仕事を進められるメリットがあります。
専属産業医の場合
専属産業医は、特定の企業に常勤で勤務し産業保健全体を担います。
そのため労働衛生や健康経営といった分野について多くの知見を蓄えることができますが、産業医としてある程度の経験を有していることを条件にしている求人もあります。
- 大手企業での経験:未経験でも専属産業医の求人は存在するため、積極的に応募し、数年の経験を積むことが推奨されます。大手企業で経験を積むことで、より大規模な組織での産業保健体制の構築や、複雑な事例への対応能力を身につけることができます。
- 統括産業医への昇進:経験を積むことで、複数の事業場を管轄する「統括産業医」を目指すことも可能です。これは、より広い視点で企業の健康経営に貢献できるポジションです。
- 異業種への転職:培った産業保健の知識や経験を活かし、他の企業に専属産業医として転職するキャリアパスもあります。
まとめ:産業医の道
産業医としての経験を積んだ先に、以下のような道が開けることがあります。
産業医のキャリアは、ライフスタイルに合わせて柔軟に選択できる点が魅力です。臨床とのバランスを取りながら産業医として働くこともできますし、専門性を高めて活躍する道もあります。
エムスリーキャリアでは、産業医案件のご紹介から「1社目の壁」を乗り越えるノウハウのご提供など、産業医として働きたい先生をサポートしておりますので、ぜひご活用ください。
産業医としてのキャリアをご検討中の先生へ

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