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開業医に迫る「コロナ閉院」で勤務医へ―医師の転職カルテvol.22

2020年11月27日

新型コロナによる収入減は、医師も他人事ではありません。中でも開業医は建物・設備の固定費、スタッフの人件費に多大な費用がかかるため、コロナ禍の経営難を機に閉院し、勤務医に戻るという人が出てきています。閉院という開業医最後の大仕事を全うしつつ、転職活動を進めるにはどうしたらいいのか――。今回は医師人材紹介会社を活用して、開業医から勤務医に転職した事例をご紹介します。

9割のクリニックで外来患者が減少

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う受診控えなどにより、経営に悩む医療機関は少なくありません。

COVID-19を受けて病院関連3団体が行った緊急調査では、3分の2の病院が赤字に転落したと分かりました。さらに、一般診療所の9割で外来患者数が減少したという調査結果(東京保険医協会が実施)も出るなど、厳しい経営環境になっています。多くの医療機関で外来患者数が大幅に減少しており、患者がCOVID-19の感染リスクを恐れた結果と見られます。

夏以降は感染がピークアウトし、徐々に患者数が戻ってきたところもあるようですが、再び感染が拡大する度に同じような状況になりかねないため、医療機関の経営難は今後も長引きそうな課題となっています。

開業医からのキャリアチェンジは余裕を持って

開業医から勤務医へ戻ることは、クリニックの承継または閉院を意味します。その可否や時期については慎重な判断が求められるものの、できるだけ早い段階で決断したいところです。およそ半年を目安に、スタッフや患者さんへの周知、賃貸物件なら大家さんとの交渉など、関係者との調整をすることになるでしょう。

また、承継・閉院準備と同じ期間に、ご自身の転職活動も進めることになります。開業医の経験が長いと、馴染みのある「外来中心」「当直なし」「週4日」などの条件に絞って転職先を探す先生もいます。ただ医療機関の中には、院長などが相談役となって病棟管理や当直のブランクをフォローするところもありますので、そうした職場も一考の価値があるのではないでしょうか。もしも「ブランクのある業務を引き受けると迷惑を掛けるのでは…」といった懸念をお持ちなら、はじめから選択肢を狭めずに、幅広く求人を探すことをおすすめします。

定年前に閉院。開業医から勤務医への転職事例

医師人材紹介会社を活用して、開業医から勤務医へキャリアチェンジを成功させた事例をご紹介します。今回の事例は昨今のコロナ禍の影響で、一区切りつく60歳よりも前に転職に踏み切った医師たちです。

Case1 小児科開業医から、出生前診断のクリニック勤務医へ

・50代後半
・小児科医

父からクリニックを受け継ぎ、開業医として20年以上。クリニック老朽化のため、60歳での閉院を検討していた。ところが新型コロナで患者数が激減し、経営も芳しくないことから前倒しで転職を決意。最初から専門の小児科にこだわらないと決め、「外来中心」「当直なし」で働ける出生前診断を行うクリニックに転職。未経験分野ではあったものの、面接前には知人の医師から情報収集して、新たな知識を身に着けた姿勢も評価された。
Case2 耳鼻咽喉科開業医から、健康診断のクリニック勤務医へ

・50代後半
・耳鼻咽喉科医

向上心が強く、これまで開業医として精力的に診療や経営を続けてきた。しかし、開業医としてこれ以上の成長が見込めないこと、一緒に運営している妻に感染リスクなどの負担をかけていることを懸念し、閉院して勤務医に戻ることを決意。閉院後は保険診療に限らず、自由診療にも携わりたいとの希望だったが、閉院時期が確定できず該当医療機関への応募が難しかったため、まずは「外勤OK」の健診クリニックに転職。年収は600万円ほど下がったものの、健診業務と今後自身が深めたい分野の勉強を両立しながら働いている。
Case3 内科開業医から、病院の消化器内科勤務医へ

・50代後半
・消化器内科医

専門は消化器内科で、クリニックには珍しい内視鏡機器を導入し、専門性を維持しながら、一般内科、小児科、皮膚科など、地域のかかりつけ医として10年ほど開業医として働く。コロナ禍以前から、資金繰りの兼ね合いで承継を考えていたが、コロナの影響を受け、承継ではなく閉院を決意。借金返済のため、年収を第一に転職先を検討。勤務希望エリアを広げ、病棟管理や当直も可にしたため、開業医時代よりもプラス700万円の年収アップを実現した。閉院後の1か月後に転居、その翌月に就職した。開業医として培ってきたコミュニケーション力や、消化器内科医としての専門性がありながら一般内科もできる総合力などが評価された。

「開業医だから」は関係ない

現在の転職市場においては、「開業医だから」といって特別不利になるようなことはありません。医療機関は、開業医か勤務医かよりも「今まで何を経験し、これから何をしたいか/できるか」を重視しています。

また、開業医の先生はコミュニケーション力や幅広く診られる総合力が評価される一方で、経営者としてのポリシーを貫いてきた分、組織になじめるか、周囲と協力できるかを心配されることもあります。そのため、勤務医に戻る際は、組織の理念や働き方を調べ、勤務先のことを理解する姿勢を示せると周囲にも安心いただけるでしょう。

開業医から勤務医に戻ることは一大決心となりますが、コロナ禍の今も、経験豊かな医師を求める医療機関は多くあります。決してネガティブな面だけではないことを知っていただければと思います。

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