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60歳以上の医師の転職事情とは?―医師の転職カルテvol.11

2018年11月26日

「生涯、医師であり続けたい……」。そう思いつつも、定年後のセカンドキャリアを具体的にイメージしていない医師は少なくありません。60歳以上の医師の転職市場と、定年後に転職を果たした医師の事例について、医師人材紹介会社のコンサルタントに聞きました。

医師が定年後も働き続けるのはなぜか?

60歳で定年になっても、再雇用で65歳まで病院に勤務し続けたり、さらにその後も転職して働いたりする医師は大勢います。医師人材紹介会社のコンサルタントには、次のような相談がよく寄せられています。
「ずっと多忙な毎日を送ってきた医師は、“定年がきたから辞める”という発想があまりないようです。むしろ、自分の経験やスキルをまだまだ医療界で生かしたいと考えていらっしゃいます。あるいは、子どもの学費などのために収入が必要で、できるだけ働き続けたいという声も聞きます。再雇用期間が終わる前の64歳や、再雇用の年次契約更新のタイミングで相談に来られる医師がよくいます」

ただ、体力的な問題から少しペースを落として働きたい医師が多いようです。
「60歳以上の医師が急性期や週5日勤務を希望するケースはあまりなく、療養型病院や救急対応のない医療機関、老健の施設長などを想定して転職活動をするケースが一般的です。中には、コンサルタントから提案されて、訪問診療に関心を持つ医師もいます」

面接で重視されるのは人柄と“歩き方”

気になるのは、60歳以上の医師に対する医療機関側の反応ですが、医療機関の機能や地域によって異なります。
「回復期や療養型の病院では、60歳以上の医師を歓迎する傾向があります。ゆったりとした勤務環境なので、あまり若い医師よりも、年齢を重ねた医師がいいと考えているようです。医師としての経験はもとより、これまでの人生経験も生かせます」
こうした傾向は、地方の医療機関であればなお顕著に見られます。一方、急性期病院は、60歳以上の医師の採用に消極的なのが現実です。
「急性期病院には“60の壁”のようなものが存在し、定年後の入職は難しいと言わざるを得ません。医療機関側は、体力的に当直や救急対応が難しいことを懸念しています。ただ、地域や診療科、医師のスキルなどによっては、『まずは会ってみてから』と面接をする医療機関もあります」

では、60歳以上の医師の面接で、医療機関はどこを重視するのでしょうか。
「なによりも人柄や柔軟性です。上長が自分より若くてもうまくやっていけるか、看護師やコメディカルなどに温和な対応ができるかなどを、医療機関側はよく見ています。意外なところでは“歩き方”も注目されます。60歳を過ぎても若々しく、健康的な歩き方だと、医療機関側も安心するようです。また、『あと何年くらい働きたいですか』もよく聞かれる質問です。ご自身が思い描くセカンドキャリアを、あらかじめ明確にしておくとよいでしょう」

60歳以上で転職した医師の事例

以下は、実際に60歳以上で転職した医師の事例です。

Case1 70代半ばの男性医師 都市部クリニック→地方クリニック
65歳まで急性期病院の副院長を務め、その後は都市部の富裕層向けクリニックに勤務していた。70代に入り「もっと落ち着いた場所で、ゆっくりと働きたい」と考え、医師人材紹介会社に相談。日頃から運動をしており、体力的には問題がなく「少なくとも80歳までは働きたい」という希望を持っていた。勤務地にはこだわらなかったため、地方の温泉街にあるクリニックを紹介された。周辺環境を気に入り、クリニックの医療法人が出身大学と関連があることから入職を決意。クリニックの担当者は、「実年齢よりも10歳は若々しく、歩き方も健康的。お人柄もよく、是非長く働いてほしい」と歓迎した。
Case2 60代前半の女性医師 都市部の中小病院→地方の中小病院
母親の介護のため、夫とともに地元に帰ることにした。実家から通える範囲の勤務先を探していたが求人が見つからない。しかし、医師人材紹介会社のコンサルタントが実家近くの病院にかけ合うと、採用枠を設けてもらうことができた。その病院が力を入れているリハビリテーションと医師の専門科目は関連性が高いこと。なおかつ、院長がその医師の人柄を高く評価したことが幸いした。新たに設備を整え、温かく迎えられた。
Case3 60代半ばの男性医師 急性期病院→療養型病院
ずっと外科の第一線で手術をしていたが、勤務先の病院に若手外科医が増え、「そろそろメスを置く時期かもしれない」と感じるようになった。しかし、完全に手術から離れる決断はなかなかできない。医師人材紹介会社に相談すると、コンサルタントから「現在の勤務先で週1日の非常勤勤務で手術をしながら、それ以外の時間で内科系を診てみては」と提案された。ちょうど自宅そばの療養型病院で病棟管理の求人があった。「ぜひ入職してほしい」と乞われて転職した。
Case4 60代前半の男性医師 ケアミックス病院→クリニック
以前からケアミックス型の病院で働いていた。既に定年を過ぎ、単年ごとの契約更新をしていたが、体力的に病棟管理が厳しくなってきたと感じた。医師人材紹介会社に登録し、自宅から通える医療機関で病棟管理がない求人を探してもらった。すると自宅近くの内科クリニックの求人が見つかり、希望条件に合致していたため入職。高齢の患者が多いため、糖尿病内科の専門性を生かしながら活躍している。

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