1. m3.comトップ
  2. キャリアデザインラボ
  3. 転職ガイド
  4. その他
  5. 介護でUターンする医師の転職事情とは―医師の転職カルテvol.14
その他

介護でUターンする医師の転職事情とは―医師の転職カルテvol.14

2019年6月19日

故郷に住む親の介護をどうするか――。医師としてキャリアを積み、仕事が波に乗ってきた頃に浮上する悩みです。急に親が倒れてやむを得ずUターン転職、というケースもありますが、数年後を見据えて早めに転職する医師も多いようです。医師人材紹介会社のコンサルタントに、実例や転職時のポイントを聞きました。

早めにUターン転職をする医師が多い理由

「親の介護のために転職する医師は、40歳前後に多い印象があります。一度、親が体調を崩した時にすぐ駆け付けられなかった経験をすると、“なるべく早いうちに故郷に戻ろう”と考えるようです」
本格的に介護が始まってからの転職となると、当直や残業ができなかったり、デイサービスなどとの兼ね合いで出勤時間を遅らせたりと、勤務上の制約が増えます。その点、早い段階でのUターン転職は、医師にとって多くのメリットがあります。
「通常は、それまでの勤務条件をあまり変えることなく、常勤のまま転職ができます。余裕のあるうちに入職して職場内の信頼関係を築くことで、いざ介護で休みや時間調整が必要になった時もスムーズに進むことでしょう。中には、高齢者施設を持つ医療法人に転職し、親が要介護になった際に施設を利用する予定の医師もいます。また、ゆくゆく訪問診療を目指している医師で、自分の親や祖父母を診るためにUターン転職をした例もあります」

ただ、長く地元を離れている医師にとって、故郷の医療状況をリサーチすることは手間がかかります。そのため、医師人材紹介会社に登録をして、転職活動をするケースが多いようです。

介護に備えた転職事例

以下は、親の介護のために転職した医師の事例です。

Case1 両親の介護に備えて、東北地方→北陸地方へUターン転職
40代前半の整形外科医。東北地方の病院に勤務していたが、故郷である北陸地方に高齢の両親がいる。両親ともに持病があり、手術を受けたこともある。「何かあった時に備えて、そろそろ戻らなければ」と感じていた。現職が忙しく、疲労感が強いため、QOLを向上できる医療機関に転職を希望。手術だけにこだわらず、幅広い診療をしていきたい。手術環境のあるケアミックス病院で、年収1800万円を維持できることを希望した。医師人材紹介会社に登録すると、条件の合う病院が3件見つかった。院長の人柄や、地域での評判を考慮し、最も働きやすいと思われる病院に決めた。
Case2 母親の入院を機に、関東地方→北陸地方へUターン転職
40代前半の消化器外科医。関東地方の病院で多忙に働いていた。故郷のある北陸地方に住む父親は通院しており、母親も入院するなど心配な状況である。すぐに介護が必要なわけではないが、そばにいたい。だが、地元にUターン転職しても、手術や内視鏡は続けたい。医師人材紹介会社に相談すると、条件の合う病院が一つ見つかった。実家から車で20分ほどの距離にあり、残業はそれほど多くない。業務内容は外科と内科が半々で、手術や内視鏡のスキルも維持できる。
Case3 要介護の親族と近居だが、緊急時に備えて転職
30代後半の麻酔科医。親族に障害のある人と、要介護の人が3人いる。それぞれ近くに住んでいるが、自身の勤務先まで1時間ほどかかるため、何かあった時にすぐ対応できない懸念があった。麻酔科の第一線で働きながら、親族の緊急時に備えたい。医師人材紹介会社に登録し、急性期病院に転職。通勤時間は短縮され、休暇が取得しやすくなった。給与も上がり満足している。

面接時には、介護の状況を率直に話すこと

介護を念頭においた転職活動では、どのようなことに留意すべきでしょうか? コンサルタントは「面接時に、現在の介護状況を率直に話すことが大切」と言います。
「親の要介護度や、他の親族のサポート状況、デイサービスを利用する場合は送迎の時間など、なるべく詳しく伝えましょう。医療機関側は、子育て中の医師のサポートには慣れていても、介護のためのサポートにはまだ慣れていない場合があります。あとから齟齬が生じないように、積極的に情報開示をしたほうがよいでしょう」

また、転職のタイミングは、実家の状況だけでなく自身の配偶者や子どもの事情も考慮する必要があります。
「お子さんが小学校入学のタイミングでUターン転職する医師が多いようです。配偶者の生活環境も大きく変わるので、事前に家族でよく話し合うことをお勧めします。なお、面接や病院見学は、夏休みなどの帰省に合わせて設定することが一般的です」

実家に住むのであれば問題になりませんが、新たな住居探しをする場合は、その旨をコンサルタントに伝えたほうがスムーズです。
「新居が決まる時期によって、入職のタイミングも変わることがあります。また、住居探しに時間を割けない医師には、たいてい転職先の事務長がフォローしてくれます。住宅手当や引っ越し手当などが支給される医療機関もあるので、ぜひお問合せください」

今の働き方を変えられないか、とお考えの先生へ

まずは現職でご希望を叶えられないか模索いただくことをお勧めしていますが、もしも転職する以外になさそうであればご連絡ください。

現職では難しくとも、他の医療機関や企業などでなら実現できるケースがあります。

週4日勤務、時短、当直・オンコール免除、複数医師体制、担当業務を抑えるといったことは求人に記載されず、医療機関とのご相談次第なことも少なくありません

エムスリーキャリアにお問い合わせいただければ、先生のご希望をどのように実現できそうかお伝えいたします。

この記事の関連キーワード

  1. 転職ガイド
  2. その他

この記事の関連記事

  • その他

    「雇われ院長」のメリット・デメリット

    クリニックでは院長職や施設管理者、いわゆる「雇われ院長」を募集することがあります。クリニックで働く勤務医になりますが、病院勤務医とは異なるメリット・デメリットがあることをご存知でしょうか。今回は雇われ院長ポジションの特徴とその転職事例について詳しくご紹介します。

  • その他

    開業医に迫る「コロナ閉院」で勤務医へ

    新型コロナによる収入減は、医師も他人事ではありません。中でも開業医は建物・設備の固定費、スタッフの人件費に多大な費用がかかるため、コロナ禍の経営難を機に閉院し、勤務医に戻るという人が出てきています。閉院という開業医最後の大仕事を全うしつつ、転職活動を進めるにはどうしたらいいのか――。今回は医師人材紹介会社を活用して、開業医から勤務医に転職した事例をご紹介します。

  • その他

    円満に退局したい…タイミングや切り出し方は?

    大学医局からの転職を考える医師にとって、円満退局できるかが転職の成否を分けます。実際、医局との退局交渉がうまくいかず、内定が出ていた医療機関への転職がとりやめになるケースもあります。医師転職支援会社のコンサルタントに、転職に伴う退局の事例と、円満退局のためのアドバイスを聞きました。

  • その他

    「数年後に転職したい」動くべきタイミングは?

    転職はしたいが、事情があって入職時期は2~3年先になってしまう――。このように長期的なスパンで転職を考える医師は少なくありません。どのタイミングで転職活動を開始すべきか悩ましいところですが、医師人材紹介会社のコンサルタントは「入職時期が数年先でも、早めに動いておいた方がいい」と話します。この理由について、実際の転職事例を交えて解説します。

  • その他

    パートナー都合で転職することになったときに、気を付けたいこと

    もし、パートナーが転勤を命じられたり、転居を伴う転職をすることになったりして、自分自身も転職せざるを得なくなったら──。馴染みがない土地で、新しい職場をどのように探せばよいのでしょうか。今回は、パートナー都合による転居を伴った医師の転職事例と転職活動時のチェックポイントについて、医師人材紹介会社のコンサルタントにお聞きしました。

  • その他

    子育て中の女性医師が、転職に踏み切る理由

    女性医師のキャリアは、出産や子育てによって少なからず変動します。以前であれば、出産を機に医療現場から離れるケースがよくありました。しかし、最近は子育て中であっても常勤で活躍したり、非常勤から常勤に復帰したりする女性医師が珍しくないようです。医師人材紹介会社のコンサルタントが、事例に基づいて解説します。

  • その他

    60歳以上の医師の転職事情とは?

    「生涯、医師であり続けたい……」。そう思いつつも、定年後のセカンドキャリアを具体的にイメージしていない医師は少なくありません。60歳以上の医師の転職市場と、定年後に転職を果たした医師の事例について、医師人材紹介会社のコンサルタントに聞きました。

  • その他

    グループ病院にまつわる“ノルマ”は本当か?

    「グループ病院」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。売り上げノルマがある、離職率が高い……そうしたイメージがあるとしたら、誤解かもしれません。グループ病院で働くメリットやデメリット、実際の転職事例について、医師人材紹介会社のコンサルタントが語ります。

  • その他

    産業医への転職事例。病院への転職とどう違う?

    企業の従業員の健康を守り、近年では企業の健康経営の担い手としても期待される産業医。臨床以外のキャリアを考える医師に、以前から人気のある働き方です。企業と医療機関とでは、転職活動の流れや入職後のポジションが異なります。

  • その他

    転職を機に、自由診療領域に挑戦した医師たち

    医師の働き方の一つとして、自由診療があります。病気を治すことを目的とする保険診療とは異なり、自由診療はゼロからプラスを作る領域とも言われます。抵抗感を示す医師が多い一方で、関心が高い医師がいるのも事実です。

  • 人気記事ランキング