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コラム

よく聞く「優秀な医師」とはどんな人?―『ブラック・ジャック』に学ぶキャリアVol. 12

2020年8月3日

数ある医療マンガの中でも、医師から絶対的な支持を集める『ブラック・ジャック』(手塚治虫)。改めて読むと、その中には現代医学でもなお解決策が出ていないような数々の「普遍的な問い」が発せられていることに気づかされます。医師たちが『ブラック・ジャック』を読み返し、さまざまな角度から考察する本企画。今回は、エピソード「ホスピタル」から、優秀な医師のキャリアについて考えます。

患者の思いか、自分のキャリアか

今回のエピソードに登場するのは、東亜大学出身の王仁川院長と、他大学出身の辰巳医師です。病院は王仁川院長を筆頭に東亜大学出身者が大多数を占めており、辰巳医師は肩身の狭い思いをしていました。

そんな中、王仁川院長はピアニストを目指す骨肉腫の患者に、てっとり早く治すために腕の切断を言い渡します。その患者の主治医である辰巳医師は、患者の思いを尊重するか、それとも院長の指示に従って自分の立場を守るかで葛藤し、大学同期のブラック・ジャックに相談を持ち掛けます。最終的に辰巳医師が出した結論は――。
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「優秀な医師」の条件とは

本エピソードは「優秀な医師とは?」という本質的な問いが隠れているようにみえます。

たとえば、この物語に出てくる2人の医師は「優秀」でしょうか。

王仁川院長は有名大学を卒業し、キャリアを積み重ねて、病院のトップに立ちました。それも、回診に連れている医師数からすると巨大病院の院長のようです。ただ、物語の中ではトップダウンのあまり、患者や主治医の意見に耳を傾けられていないようにも見えます。 一方、辰巳医師は患者の思いを第一に、最善の治療を行うと決めました。ところが、彼は院長の指示を無視して、無免許のブラック・ジャックに手術をお願いするというタブーを犯しています。 両者ともに、その判断を誤りだと断定するのは難しいのではないでしょうか。

「優秀な医師」を決めるとするなら、はたして王仁川院長と辰巳医師のどちらでしょうか。

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