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コラム

ヘッドハンターが気にする医師の「意外な評価ポイント」とは―ヘッドハンティングされる医師の条件(中編)

2019年8月21日

ここまでヘッドハンティングとはどのようなものか、どんな流れで進められていくのかを紹介してきました。今回は具体的に、ヘッドハンター側はどのような基準で医師を選んでいるのか、医師のどんな点を見て評価しているのかを元ヘッドハンターに聞いています。現場の生々しいエピソードから、意外な評価ポイントも見えてきます。

──前回、一次マーケティングをしているという話がありました。具体的にどんなことをしているのですか。

勤務先のホームページは必ずチェックします。勤務先の医師紹介のページで顔写真があれば見ますし、年齢も確認します。受け入れる病院側が組織バランスの問題で「何歳くらいがいい」と要望されることが多いからです。あとはどんな資格をお持ちなのかも見ています。

また、どの学会に所属しているかも重要なポイントです。それもメジャーよりもその先ですね。例えば、消化器系の場合なら、日本消化器学病学会に属している先生は多いので、あまり大きな判断基準になりません。

それよりも日本内視鏡外科学会などに長く入っているか、技術認定を受けているかといったほうをチェックします。そうしたことから「技術的な部分を突き詰めようとしている先生なのだな」といった志向や、得意分野が透けてくるからです。こんなふうにして情報を一元化していくと見えてくる情報があります。

さらに語弊があるかもしれませんが、今の職場で、実力がいかんなく発揮できているのかも、可能な限り調べました。派閥争いで敗れたとか、事業戦略上今までやってきた技術が生かせないなど、たまたま今の環境では不遇をかこっている先生がいらっしゃいます。そうした境遇にある先生に、もっと輝ける場所を提案することも、少なからずあったからです。

ただし、これはあくまで一次マーケティングでしかありません。実際にお会いしてみないと分からないことはたくさんあります。どちらかというと一次情報に過ぎず、最終的には面談で判断していたように思います。

──最初の面談時は、どのあたりをチェックしているのですか。

服装に関して言えば、ある程度の清潔さがあるかは見ますが、おしゃれだとかどうだとかは関係ないですね。そんなことよりも立ち居振る舞いというか、一般常識があるかどうか。

ヘッドハンターの同業者たちが共通して言っていたのは、目力というか、何かを語っているときの熱量です。常に「熱く」なくてもいいのです。いろんな話をうかがっている中で、「こういうことをやりたいんだ」という話をしているときに目の輝きがあるかどうか。これは重要なポイントですね。

また、歩く姿も失礼ながら見ています。ダラダラではなく、シャキシャキ歩かれているかどうか。精神的な部分が、行動にも現れていると思うからです。

──「この先生はちょっと……」という人はいましたか。

ときどき必要以上に高圧的な先生はいましたね。明らかにこちらを見下しているなと。なかには面談中ずっと斜め上を見ていて、目を合わせない先生もいましたよ。われわれも興信所並みにすべてを調べ尽くしてお会いするわけではないので、該当の先生に関して予備知識がない部分も多々あります。それでも「(私に関して)こんなことも知らずに来たのか」と激昂されたこともありました。

ただ、大半が興味津々でお会いいただくパターンが多かったと思います。とりわけ外科系の先生は好奇心旺盛で、「自分のどこを評価してくれたのか」など単刀直入に何でも質問される人が多いですね。一方で、内科系や精神科系の先生は非常に慎重で、好奇心だけでは動かない印象があります。

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