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教授選の影響で転職…覚悟を決めた医師たち―医師の転職カルテvol.3

2018年8月17日

医師が転職を考えるタイミングの一つに「教授選」があります。長年、目を掛けてもらっていた教授が退官した、懇意にしていた上級医が教授選で敗れた、新しい教授と折り合いが悪い……。いくつかのパターンがある中から、人材紹介会社のコンサルタントが典型例を紹介します。

新教授と専門分野が異なり、冷遇されることに…

医局に属する医師にとって、教授選は自身のキャリアを左右する一大イベントです。もともと関係性がよかったり、専門分野が同じだったりする医師が新教授になった場合は、それほど影響しないかもしれませんが、逆の場合は転職を考えるほどの問題になります。エムスリーキャリアのコンサルタントは次のように語ります。
「例えば、他の大学の医師が教授に就任して、急な転勤や専門外の業務を命じられた、という話をよく聞きます。海外留学している間に教授が代わり、帰国するとポストがなくなっていたということもあります。教授が代わったとたんに医局の居心地が悪くなり、転職を検討することは、どんな医師にも起こり得るのです」

Case1 消化器内科医、40代、男性

長年、教授と同じ専門分野を研究しており、講師の職を得ていた。ところが、教授選の結果、他大学の医師が教授に就任。今度の教授とは専門分野が異なることから、研究費はカットされ、待遇面でも冷遇されるようになった。講師以上の昇進はできないことがわかり、転職したい気持ちがわいてきた。ただ、医局関連病院以外に勤務した経験がなく、どのように転職活動をしたらいいかわからなかった。加えて、子どもが中学受験を控えているため転居は避けたい。不安要素が強かったことから、人材紹介会社に相談した。

この医師は都市部に住んでおり、比較的選択肢の多い状況でした。自宅から通える範囲の急性期病院(300床規模)に部長職で転職しています。勤務内容や職位は転職前とほぼ同じで、給料は100万円ほどアップしました。
「医局を離れると、これまでの後ろ盾がなくなり、医師自身の技量が問われるようになります。この先生は『自分の裁量でキャリアを設計する覚悟が決まった』とおっしゃっていました」

教授の退官を機に、20年間離れていた地元へUターン

新しい教授に不満はなくとも、教授選を一つの区切りと捉え、転職する医師もいます。

Case2 外科医、40代、男性

医学部を卒業以来、母校の医局に所属。ずっと同じ教授のもとで研さんを積んできた。教授には、専門医や博士号の取得でお世話になり、結婚式の仲人を務めてもらうなど公私にわたる付き合いがある。以前から「いつかは地元に帰りたい」と考えていたが、教授には言い出せずにいた。しかし、教授の定年退職が1年半後に迫ったタイミングで、自身も退局することを決意。地元を離れて20年以上たち、現地の病院の評判がわからなかったため、早めに人材紹介会社に登録した。

教授の定年退職に合わせた転職はあらかじめ時期がわかるため、余裕を持った転職活動ができます。このケースの医師は出身地が遠方でしたが、人材紹介会社が間に入ることで条件に合う転職先が見つかりました。配偶者も同じ大学の内科医ですが、教授の退官という事情を説明すると理解を得られ、無理な遺留はなかったそうです。夫婦そろってUターンできました。

長年、医局に属している医師は、転勤があることは当たり前、教授の交代で自身の評価が変わることも仕方ないと思っているのではないでしょうか。しかし、思い切って医局を離れてみると、すべて自分で決められることに新鮮さを感じるかもしれません。教授選は、ある意味で自身のキャリアを見つめ直すチャンスです。医局のメリットとデメリットを考えたうえで、自分らしい選択をしてみてはいかがでしょうか。

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