m3会員を対象に、医師の病とキャリアについて聞く本シリーズ。後編では、医師357人の医師が回答したアンケート(※)結果に基づき、働き方を変更するにあたり相談した相手、病になってからの仕事観・人生観の変化についてご紹介します。
(※)2020年7月18日~26日、m3.com会員の医師を対象にエムスリーキャリアが実施
働き方の変更、「誰にも相談しない」という声も
罹患して働き方を変更するにあたり、相談した相手は「家族」が最も多く、次いでパートナーという回答結果となっています。一方で、「特に相談しない」という回答が全体の35%を占めており、その理由として「自分で決めるのが人生だと思う」「相談するに値する相手がいない」といったコメントが集まりました。
次に、なぜその相手に相談したかについてご紹介します。
家族
家族に相談するのが当たり前だと思う(60代/小児科)
働く場所、内容について相談した(60代/整形外科)
パートナー
人生を共に送る相手だから(50代/小児科)
一人での開業は続けられないから(60代/小児科)
上司・同僚
定年退職して非常勤になったので、当直を外していただいた(60代/麻酔科)
外来の縮小、時間内勤務を心掛けるため(60代/糖尿病科)
代診の手配が必要になるから(60代/整形外科)
少しでも続けられるように(50代/皮膚科)
友人
オン・オフつけたいので(50代/内科)
大学病院での激務を続けては、自身の健康を損なうと思い、話を聞いてもらった(50代/内科)
主治医
狭心症で済んでいるうちは良いが、将来心筋梗塞を起こさぬよう、身体への負担を減らそうとしている(50代/麻酔科)
慢性疾患であり、経過観察と対症療法を行っているため(50代/婦人科)
外科処置が欠かせないため(40代/呼吸器外科)
特に相談しなかった
自分のことは自分で決める(40代/神経科)
僕の仕事のことは、家族にはわからないから(50代/消化器科)
自分で働き方を決められる立場にいるから(50代/産科)
残された時間、家族のこと…医師が思いを馳せるものたち
「病になってから仕事観・人生観が変わったか」という質問に対して、多くの人が「どちらかといえば変わらない/変わらない」と回答しました。
一方で、「大いに変わった」「どちらかといえば変わった」と答えた方も2割いました。具体的にどのような変化があったのでしょうか。次に、その内容をご紹介します。
誰もが大病を患う可能性がある(30代/麻酔科)
かつて上司たちのパワハラで過呼吸を起こし、適応障害を患ってから定期的にメンタルクリニックに通院していました。一歩間違えたら自殺していたと本当に思います。最終的に精神科に変更し、今は何事もなく仕事ができています。以前とは違い、生きているだけで儲けもの、最低でも生活する上で必要な金を稼げば良い、という現実的な考えを抱くようになりました(30代/精神科)
家族をより、大切にするようになった(40代/消化器科)
診療科を変えることを考えるようになった(40代/呼吸器外科)
定期通院の必要性を実感した(40代/精神科)
持病を抱える患者さんの気持ちが、よくわかった(50代/麻酔科)
実際に患者に指導しているように、家庭血圧測定や減塩など日常の注意はするようになり、その継続の大変さはよくわかった(50代/内科)
自分が死んだあとのことを考えるようになった(50代/消化器科)
辛い時には辛いと言っていい。自分の得意分野をもっと広げていいと思った(50代/小児科)
自らの命を削ってまでする仕事は、この世に存在しないと思うようになった(60代/内科)
C-PAP導入後、性格が自分でも丸くなったような気がする。イライラしなくなったかも(60代/内科)
膿胸、手術、敗血症で、長期離脱してから、体調管理はしっかりするようになりました。ダブルヘッダーのオペはなるべく避ける。オペのはしごも避ける。おかしいと思ったら休養する(60代/脳神経外科)
挑戦的姿勢が、やや保守的になった(60代/脳神経内科)
残された時間を意識して生きるようになった(60代/呼吸器内科)
いつ人生が終わっても良いような生き方をしたいと思うようになった(70代/産婦人科)
細く長く仕事が継続できるよう考えるようになった(70代/呼吸器科)
今の働き方を変えられないか、とお考えの先生へ
まずは現職でご希望を叶えられないか模索いただくことをお勧めしていますが、もしも転職する以外になさそうであればご連絡ください。
現職では難しくとも、他の医療機関や企業などでなら実現できるケースがあります。
週4日勤務、時短、当直・オンコール免除、複数医師体制、担当業務を抑えるといったことは求人に記載されず、医療機関とのご相談次第なことも少なくありません
エムスリーキャリアにお問い合わせいただければ、先生のご希望をどのように実現できそうかお伝えいたします。