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コラム

進まぬ医師の働き方改革 現場が求める業務改善策とは

2018年2月2日

2018年1月15日に行われた「医師の働き方改革に関する検討会」では、今後は医師の長時間労働を是正する方向で議論するという中間的な論点整理の骨子案も示されました。実際に医療機関では、働き方改革に向けた取り組みがどのくらい進んでいるのでしょうか。編集部では、医師を対象に「勤務病院にて組織的な業務改善が行われているか」についてアンケート調査を行いました。

75%の医師が「勤務病院で組織的な負担軽減が行われていない」と回答

アンケートは2018年1月20日~24日にかけてm3.com医師会員460人を対象に実施。勤務病院で組織的な業務改善が行われているかを聞いたところ、以下のような回答結果となりました。

タスクシフティング、業務内容の見直しを中心に実践

「従業員の負担軽減のための組織的な業務改善が行われている」と回答した医師の勤務病院では、大きくわけて以下のような業務改善が推進されていることが明らかになりました。

① 他職種へのタスクシフティング

  • 各診療科に専属のメディカルアシスタントを置き、勤務管理、入院台帳などの患者情報の整理をしてもらっている。(小児内科/60代)
  • 医療秘書がいて、診断書や入退院時の書類の作成を代行してもらっている。(消化器科/50代)

② ITの活用

  • 業務省力化のため、ICTを導入予定。(一般内科/60代)
  • 事務業務改善のため、電子カルテ導入。(形成外科/50代)

③ 労働時間の見直し

  • 私個人の勤務状況が特殊なため、私のみの適応ですが、外科の当直後は半休です。(一般外科/30代)
  • 会議は5時までに終わるようにする。(神経内科/50代)
  • 残業時間の目標設定、目標到達率の公表など。(循環器科/50代)

④ 定期的な会議等による業務の見直し

  • 日々の打ち合わせで問題提出されている。(眼科/50代)
  • 自分の病棟単位だが、病棟カンファレンスで改善点を見つけ、無駄を省く。また、カンファレンスで再評価、実際に業務が楽になったかどうかもチェック。(老年内科/40代)

形だけではなく、“現場の声”を反映させた業務改善を

このように、組織的な業務改善を推し進める医療機関がある一方、そのような取り組みがまだまだ進んでいない医療機関が多いのも事実。医師が勤務病院に求める業務改善内容からは、現場の人手不足や超過勤務の実態が浮き彫りになる結果となりました。

勤務時間

  • 平日休み土日出勤の医師を多く作るべき。土日出勤の医師が予約診療までさせる。土日しかかかれない患者も多い。この結果、土日に呼び出されることは、ほぼなくなる。また、当直回数も減る。要は、医師も看護師のような勤務にするべきである。(一般内科/60代)
  • 勤務時間を短縮するために、組織が頑張るだけではなく、医師も自ら考え動くべきと思います。例えばカンファレンス開始時刻を早めるとか、注射・検査オーダーを早めるとか、患者との面談は夕方までに終わらせるとか。(腎臓内科/40代)
  • 当直勤務の扱いと翌日の勤務についてなんとかしてほしい。(耳鼻科/30代)
  • 無休超過勤務。特に自宅待機を何とかしてほしい。どこもいけないし、お酒も飲めない。(一般外科/50代)

人材確保

  • 医事課長が転勤を拒否していすわっている。他のグループ病院と比較して、当院だけが病院機能評価をとっておらず取り残されている。常勤医師が3人しかいないので、もう1人精神科医の雇用が必要。常勤内科医がいないので、精神科でありながら内科医のような仕事ばかりさせられている。臨床心理士が全く使い物にならない。指定医を取得しても給料をあげてくれない。院長が全くマネージメントに無関心で困っている。(精神科/60代)
  • 看護師の離職率が高く、慢性不足に陥っていることが最大の問題であり、看護部をはじめとして組織的な抜本的対策が急務。(糖尿病科/60代)
  • 常勤医が4人退職し、6人となりました。この中で黒字を求めるのは無理がありますが、経営陣は求めてきます。人的確保が先と思います。(消化器内科/50代)
  • 現在も交代制勤務が順調に機能しているので、人員の確保のみ。(小児内科/60代)

業務効率化

  • 医師がしなければならない仕事、ほかの職種でも構わない仕事などを明確に選別して、それぞれの業種の余分な仕事を減らしてもらいたい。(呼吸器外科/50代)
  • 内容のない形だけの委員会や会議の廃止。(精神科/50代)
  • メディカルクラークの導入を中心とした、医師でなくても行える事務作業等を担う職種の導入を早急に進めて頂きたいですが…先立つ物がないので、無理でしょう。(内科/30代)
  • 近隣の病院とも連携して、無駄に当直する回数を減らしてほしい(新生児科/40代)

その他

  • 「医師の働き方改革」ではなく、「医療従事者」を一人の人格・一人の国民として、皆と同じ「勤務条件「勤務条件・労働時間」としてほしいと思います。「医師の応招義務」が、他国にもあるのかを明らかにし、不当な拡大解釈と強要が行わないようにすべきと考えます。その上で、医療従事者の献身・犠牲の上でなければ実現しないような、医療サービスを禁止すべきと考えます。医療従事者の勤務量の自由裁量性の名のもとに、不当な医療労働の強制がなされてはいけないと思います。(一般内科/50代)
  • 個人的には、残業時間を少なくしてほしいとか、当直の翌日は休みたいとは思っていないのですが、外からの圧力でそういう方向にすすんでいます。(神経内科/50代)
  • 絶滅危惧種の診療科を優遇してほしい。(病理/60代)
  • 国民全体の医療啓蒙がなされないと無理。コンビニ受診をやめさせないと。(泌尿器科/60代)

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