首都圏の東側に位置する千葉県。病院数、医師数ともに全国水準と比べて低めであり、医療資源が不足しているエリアである。今回は、このような特色を持つ千葉県で医師が転職する際に知っておきたいポイントを解説する。
千葉県の病院・クリニックの特徴
千葉県の医療提供体制の特徴 は、人口 10 万人当たりの病床数(一般病床及び療養病床)、医師数ともに、全国平均を大きく下回っているということ。
千葉県には9つの医療圏があり、286施設の病院(全国9位)と3778施設のクリニック(全国8位)が位置している。千葉県内で最も医療機関が多い東葛南部医療圏には2割の医療機関が集中しており、東葛北部医療圏、千葉医療圏などと続く。10万人あたり病院数で換算すると4.6施設となっており、全国平均の6.7施設と比べると少ない。2014年度の病床機能報告 では、県全体で回復期機能及び慢性期機能にかかる病床が不足していることが明らかになった。特に、回復期機能については、全ての区域において不足している状況である。既存の高度急性期または急性期病床から、必要に応じた病床への機能転換により病床確保を図っていくことが必要とされている。
千葉県の人口は、623.6万人と全国で6番目に多い。しかし医師数は1万2278人であり、10万人あたりに換算すると189.9人(全国45位)と非常に少ない。今後の総人口は減少するものの、高齢化が急速に進展することにより、医療・介護資源は厳しい状況となる見通しである。産科や小児科といった、特に医師確保の厳しい診療科 については、修学資金制度や処遇改善に取り組む医療機関への補助制度などを活用し、重点的に対策を講じる予定。
千葉県内で医学部を持つのは千葉大学、国際医療福祉大学 。日本医師会の『病院における必要医師数調査結果』(2015年)によると、千葉県の医療機関のうち大学医局から派遣を受けている病院の割合は71.5%と、全国平均(75.5%)と比べると低い結果となっている。
千葉県の医師の特徴
エムスリーキャリアの過去転職者のデータによると、千葉県に勤務している医師の平均年収は1,632万円。全国平均である1,496万円と比較すると高い水準となっている。
千葉県の医師にとっての暮らしやすさは?
首都圏の東側に位置し、三方を海に囲まれている千葉県。県北部には成田空港があり、関東地方の玄関口として機能している。千葉県と神奈川県を結ぶ東京湾アクアラインを有するほか、首都圏中央連絡自動車道の整備が進行中であり、交通網が発達している。県北西部は東京都と隣接しているため、都心部へアクセスしやすいなど都市機能が高い一方、房総半島に代表されるように、自然豊かな地域もあるのが魅力である。
教育体制も整っており、渋谷教育学園幕張高校、千葉・県立高校、東邦大附東邦高校、船橋・県立高校、市川高校などが医学部進学実績を持っている。
千葉県の医療機関で働く医師の口コミ
- 東京に隣接しているが、田舎の部分も多く、のどかな雰囲気です。(30代、糖尿病科)
- 患者はきわめて素直、朴訥で診療しやすい。(30代、循環器内科)
- 気候も暖かく、人も温かく、良い所だと思います。 (40代、整形外科)
- 特に困っていることはない。(50代、消化器外科)
- 交通の便がいい。(40代、整形外科)
千葉県の医療機関で活躍する医師の事例
- 千葉県の公立病院にPICU!?小児科医を9人から27人に増やした医師の戦略―平本龍吾氏(松戸市立病院)
- 開かれたコミュニティを生んだ、地域包括ケアの「柏モデル」―平野清氏(医療法人社団清風会 平野医院)
- 平均在院日数を大幅に短縮 旭中央病院の挑戦―青木 勉氏(総合病院国保旭中央病院)
千葉県の医師求人情報
【参考資料】
- 2016年『医療施設(動態)調査・病院報告の概況』(厚生労働省)
- 2016年『医師・歯科医師・薬剤師調査』(厚生労働省)
- 2015年『病院における必要医師数調査結果』(日本医師会総合政策研究機構)
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