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調査

転勤で後悔!理想の勤務地で働くには―勤務地の満足度アンケート(後編)

2020年8月14日

医師にこれまでの勤務先の満足度を聞く本シリーズ。後編では今後働いてみたい勤務地を紹介します。また、転勤、転居を伴う転職の失敗エピソードも聞きました。勤務地の理想と現実にギャップはあるのでしょうか。

都市と地方、医師が働きたいのは?

まずは、今後働いてみたい勤務地についてです。「特になし」「このままでいい」といった意見も多数あった中、働いてみたい地域の上位にランクインしたのは北海道、沖縄県、東京都。各地独自の環境に魅了されていることがわかりました。


同率1位:北海道

  • 田舎の良さと都会の良さを兼ね備えているから。(30代男性、整形外科)
  • ウィンタースポーツがしたいから(40代女性、放射線科)
  • 自然がいっぱいあって楽しそう。(50代男性、内科)
  • 同率1位:沖縄県

  • 暖かくてのんびりしているから。(40代男性、呼吸器科)
  • 旅行で何度も行ってよかった。人が良い。(50代男性、内科)
  • 気候が良い、生活費が安く、老後の生活が楽。(70代女性、眼科)
  • 3位:東京都

  • 勉強する、遊ぶ、文化に触れる、全てにおいて東京が一番。(40代男性、消化器科)
  • 結婚したての頃に勤務していたことがあるが、とても楽しかったので。今度は子どもたちと生活してみたい。(40代女性、小児科)
  • 大都会で働いたことはなかったから。(50代男性、循環器内科)
  • 4人に1人が転居で失敗

    次に、転勤や転居を伴う転職で「失敗した」「こうすれば良かった」と思ったことはあるか尋ねたところ、半数以上が「なかった」と回答。一方で、27%の医師が1回以上、後悔していたことがわかりました。その理由として寄せられたコメントは、プライベートでの一大事に発展したものも……。


    表1:質問『転勤や、転居を伴う転職で「失敗した」「こうすれば良かった」と思ったことはありますか?』
    (20~70代の医師513名が回答)

    「複数回あった」「1回あった」と答えた医師は、どのようなことが気がかりだったのでしょうか。アンケートの自由回答から一部抜粋してご紹介します。


    複数回あった

  • 地域住民の考え方と同調できないことがあった。(40代男性、呼吸器科)
  • 妊娠出産事情を考え、仕事をセーブしたが、今思えばやりたいことをやれば良かった。(40代女性、小児科)
  • 転居をきっかけに別居が始まり、次の転居で離婚になりました。(50代男性、その他)
  • 生まれてからこれまで海外を含めて17回転居しています。転勤が多いと、勤務期間が短く、まともな退職金をもらったためしがありません。また、転居のたびにごみを捨てるのですが、1~2年でうんざりするほど不用品が増えて、自分の学習能力の低さにほとほと嫌気がさします。(50代男性、心臓血管外科)
  • 医師会がものすごく厳しい土地なのは知っていたが、事前に知り合いのドクターに根回しをしたりするのを怠った。それをしていたら問題は起きなかったと思う。(50代男性、外科)
  • 30代中盤で名古屋にマンションを購入したが、すぐに岐阜県に異動になり、戻ってきてもそのマンションから遠い勤務先だった。(60代男性、外科)
  • 転勤のたびに子どもの友達が変わり、慣れるのに大変だったようで、不登校になってしまったことがある。(60代男性、内科)
  • 転勤に際して休みを取らなかったため、家族が引っ越しで苦労した。(70代男性、小児科)

  • 1回あった

  • 首都圏で勤務したことがあったが電車通勤が身体に合わなかった。(30代男性、放射線科)
  • 僻地のアパートを実際に内覧しないで借りたら、ドレッサーがなかった。(40代男性、消化器科)
  • 今までやってきた疾患の専門性が発揮できない病院に赴任したこと。実家に近くなるからと選んではみたものの、、、(40代男性、呼吸器科)
  • 自らの意思でなく、旦那の仕事の都合で遠方に転居。したいと思うような仕事も見つからず、苦悩の日々でした。(50代女性、小児科)
  • もともと研修していた病院の先生からの紹介で勤務したが、患者数が少ないと「すぐにお辞めください」と言われるような非常にシビアなところだった。しっかりと先に勤務地に関して情報を得る必要がある。(60代男性、内科)
  • 他県勤務の時に契約した賃貸マンションが勤務開始日に完成していなかった。(70代男性、耳鼻咽喉科)

  • コメントから、家族や住まいにまつわるトラブル、赴任先や地域の人たちとのすれ違いなど、それぞれの深刻な状況が浮き彫りになりました。転勤、転居は引っ越し時だけでなく、その後のキャリアや生活にも影響しかねないもの。失敗しないためには、周囲へのケアや情報収集を怠らが大切なようです。

    同テーマの記事シリーズはこちら

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