1. m3.comトップ
  2. キャリアデザインラボ
  3. ノウハウ
  4. コラム
  5. 医師の世界にもある介護離職 どう備える?
コラム

医師の世界にもある介護離職 どう備える?

2018年5月17日

誰にでも起こりうる、家族の介護。医師の場合も、介護を理由に働き方を変えたり、転職をしたりするケースがあるそうです。今回は、医師紹介会社のコンサルタントに「医師と介護」について、解説してもらいました。

転職か、働き方を変えるのか

実際に、「家族の介護」を理由に、医師人材紹介会社に転職の相談をする医師は、男女問わず一定数います。人それぞれではありますが、家族が長期療養を要する病気になってしまった、両親のいずれかが他界してしまって独居になってしまったことを機に、家族の近くで働こうと決意する医師が多いそうです。その理由について、エムスリーキャリアのコンサルタントは次のように語ります。

「医師は職業柄、『自分で診ること』にプライオリティを置いている人が多く、家族であればその傾向がより強まるためです。同業者ゆえに診断や治療方針に口出しをしたくなる場面もあるそうですが、主治医がやりにくくなることもわかっているので、抑えることの方が多いのだとか。また、医師側は患者の容態から治療方針まで全て把握していますが、患者側はそうとは限りません。それもわかってしまうからこそ、自分が何とかしたいというマインドになるのでしょう。医療機関のなかには、福利厚生として家族の医療費や入院費を無料にしているところもあるので、自分の勤務先で家族を診るという選択をする医師もいるそうです」

家族の要介護度・要支援度が高くなってくると、当直を免除してもらう、常勤から非常勤勤務に切り替えるというように、働き方自体を変える必要性が出てくることも。実際に、コンサルタントに相談があった事例をみていきましょう。

相談医師:40代女性、常勤勤務、東京都在住(三重県出身)

相談内容:父親が脳梗塞の後遺症で麻痺が残ってしまい、自宅介護の必要がある。母親は健康だが高齢であり、老老介護になってしまうため、地元に帰ろうと考えている。夜間は排泄介助があり、定期的な通院も必要なため、夜間・休日の呼び出しがない医療機関を希望。

結果的にこの医師は、転職活動中に父親が脳梗塞を再発・悪化してしまったため、施設に頼ることを選択したそうです。「医療機関にお世話になっているときは、働き方を変える必要はないと考えていましたが、自宅介護が必要になって初めて、働き方から見直さなければならないと感じました」とコンサルタントに語ったそうです。

日頃から話し合い、相談を

決定的な決め手は人それぞれですが、家族がいる以上、介護をきっかけに働き方や勤務先を変えるという可能性は誰しもあります。いざというときに即座に対応できるよう、「家族の誰かが介護が必要になったら、誰がどのように対応するのか」ということを日頃から話し合っておくと良いでしょう。特に、医師夫婦の場合、どちらのキャリアをどのように優先させるかまで話し合っておくと、介護の必要が生じたときにスムーズな行動をとることができます。介護という極めてプライベートな問題だからこそ、家族間で抱え込んでしまいがちですが、勤務先にも相談をして柔軟に動けるよう働きかけることも必要です。転職をせずとも働き続けることができるかもしれないので、転職活動に踏み切る前にまずは勤務先に相談してみましょう。介護が長期的になりそうであれば、転職も視野に入れて、総合的に判断することをおすすめします。

従来の価値観に とらわれない働き方をしたい先生へ

先生の「やりたい」を叶えるためには、従来の働き方のままでは難しいとお悩みではありませんか。

  • 医師業と、自分のやりたいことを兼業したい
  • 病院・クリニック以外で医師免許を生かして働きたい

もし上記のようなお考えをお持ちでしたら、エムスリーキャリアのコンサルタントにご相談ください。

エムスリーキャリアは全国10,000以上の医療機関と提携して、多数の求人をお預かりしているほか、コンサルタントの条件交渉によって求人を作り出すことが可能です。

この記事の関連キーワード

  1. ノウハウ
  2. コラム

この記事の関連記事

  • コラム

    コロナ禍だから振り返りたい「扶氏医戒之略」―わたしの女医ライフ

    ドクターと医学生の交流を目的とし、将来の選択肢を増やすためのイベント「Doctors’ Style」の代表を務める正木稔子先生が、「女性医師だからできない」ことではなく、「女性医師だからできる」ことについて語ります。

  • コラム

    好待遇でも…医師のヘッドハントに潜む罠──ヘッドハンティングされる医師の条件Vol. 1(後編)

    ヘッドハンターに実際に声をかけられた場合、転職するにせよ、しないにせよ、どう対応するのがベストなのでしょうか。高額な報酬をチラつかせられたら、多少心が揺れるかもしれませんが、安易に応じて落とし穴にはまることは避けたいもの。元ヘッドハンターに注意点を聞きました。

  • コラム

    ヘッドハンターが気にする医師の「意外な評価ポイント」とは──ヘッドハンティングされる医師の条件Vol. 1(中編)

    ここまでヘッドハンティングとはどのようなものか、どんな流れで進められていくのかを紹介してきました。今回は具体的に、ヘッドハンター側はどのような基準で医師を選んでいるのか、医師のどんな点を見て評価しているのかを元ヘッドハンターに聞いています。現場の生々しいエピソードから、意外な評価ポイントも見えてきます

  • コラム

    元ヘッドハンターが語る「医師引き抜き」の舞台裏──ヘッドハンティングされる医師の条件Vol. 1(前編)

    札束を積んで引き抜きをかけられる、病院に突然封書が届く……といったイメージが先行しがちなヘッドハンティングですが、本当のところはどうなのでしょうか。医師ヘッドハンティングの実態を、元ヘッドハンターが全3回にわたり解説します。</p> <h3>ヘッドハンティングの仕組みとは

  • コラム

    韓国医療に見た、光と影―海外の医師はこう考える vol.6

    電子カルテシステムなど、医療の電子化が進んでいる韓国。その様子は一部、日本のメディアでも紹介されており、日本はその後塵を拝しているとも言われる。私自身も現地への視察へ赴いたが、実際にその勢いには驚いた。再生医療研究などに積極的に取り組む同国では幹細胞を使った実験的医療も進展を見せており、人類が想像してきたような「未来の医療」を実現させようという本気度を感じた。とはいえ、同国の医療現場においても、課題は多いそうだ。今回は、小児科医として現地と双方の小児医療の状況について意見交換した時の様子について、紹介したい。

  • コラム

    バングラデシュ、公的医療への不信感はこうして生まれた―海外の医師はこう考える vol.5

    日本を含め、多くの国々において医療は公的な制度に組み込まれて運用されている。しかし、そんな公的医療に対する信頼感は、国によっても大きく異なる。バングラデシュで見た光景は、公的医療のあり方について深く考えさせるものであった。 バングラデシュと聞けば、テロなど恐ろしい情報もあり、いささか後ろ向きな印象を抱かれる方も多いかもしれない。しかし実際は、カオスの中で元気に生きる人々がおり、多くの人々、特に現場の人々は志を持ち、親日の国であり、居心地は決して悪くない。今回は、そんなバングラデシュの医療のあり方について考察したい。

  • コラム

    タイが医療大国になれた理由―海外の医師はこう考える vol.4

    日本では、医療ツーリズムの本場としても知られている、タイ王国。私的病院を中心に、高度な医療を提供することで、他国からも患者がやってくる東南アジアの医療大国だ。近年にはすべての住民に公的医療保障を提供する形が整った。経済規模や背景にある貧富の差を勘案すると、保健指標としても、優秀な国である。今回はそんなタイの医療事情について、考察を深めたい。

  • コラム

    女医を悩ます「2人目の子」のタイミング―女医の「2人目」問題 vol.2

    当然のことながら、子どもを授かるということはそう簡単なテーマではありません。2人目に限らず、「いつ子どもを出産するか」は、働く女性にとっての永遠のテーマとも言えます。難しい問題ではある一方で、「いつ出産したら、どんなリスクがあるのか」を意識しておくことで、出産・育児がスムーズになる側面もあるでしょう。2人目の出産を悩んだ女医の一人として、2人目の子どもをいつ出産すべきか、読者の皆さんと一緒に考えたいと思います。

  • コラム

    開業を検討している医師に、ここだけは押さえて欲しいこと―開業までのロードマップ(6)

    開業医T先生の開業までのロードマップ最終回。開業して実際にどのくらいの期間で費用回収ができたのか、医療法人へ切り替えた理由、そして最後に開業をお考えの医師のみなさんへのアドバイスを掲載。

  • コラム

    女医に立ち塞がる「2人目の子」の壁―女医の「2人目」問題 Vol.1

    私の親しい女医仲間や女医に限らずとも、仕事を持つ女友達の間では、「2人目どうする?」という話題が顔を合わせるたびに出てきます。自分の身の回りだけでもこれだけありふれているのだから、全国的にみたらかなりの割合で「2人目」について悩んだり考えたりしている女性がいるということではないでしょうか。私自身も1人の子どもを持ち、今すぐではないにしろ、近しい将来2人目も考えている当事者ですので、自分の考えや、周囲の声も織り交ぜながら、読者の皆様と一緒に「2人目問題」についての事柄を整理していければ幸いです。

  • 人気記事ランキング