Yu(ゆう)
現職との退職交渉は、医師の転職活動における最難関と言っても過言ではありません。タイミングや伝え方次第で、新しい職場へのスムーズな入職が難しくなってしまうことも少なからずあるようです。今回は、わたしがどのように退職意向を伝えたか、入職日までどう過ごしたかも併せてお話ししたいと思います。
どんな状況でも、「わたしはわたし」
入職先は決まったものの、現職で退職を切り出すのが結構大変でした。人手不足の状況で退職することを申し訳ないとは思いましたが、情に流されていては成長できないし不満が募るだけ。「今の病院がわたしの人生を保障してくれるわけではない」と意を決して、院長・事務長に退職の旨を伝えました。報告したタイミングは、転職先の院長との面談を終えて内定をいただくまでの間だったと思います。こういう時、「そうですか」とはなかなかいかず、大概「なぜ辞めるのか?次はどこの病院に行くのか?」と聞かれるもの。しかし、わたしは詳細を伏せることにしました。
それなりの規模の病院でしたから、わたしのことをよく知らないスタッフにも退職にまつわる噂は広まってしまいます。中には、いなくなった人を面白おかしく言う人もいるので、「辞める理由はいろいろあります。次(の職場)は、まだはっきり決まっていません」と答えておきました。辛くなった、嫌になったなどのネガティブな発言も、激しく追及されない限り、言わないほうが無難だと思います(他の先生方が、どのような話をつけて退職されるのかは、わたしも気になるところです)。なお、わたしは麻酔科でしたので、受け持ちの病棟患者さんもおらず、特別な引き継ぎもなかったので、退職日もスムーズに決まりました。
一歩踏み出したからこそ、知ることができた世界
退職日から入職日まで数カ月あったので、勉強会に参加をしたり、麻酔の非常勤・スポット勤務をしたりして過ごしました。結果的にいろんな病院に行くことになり、これまでいかに狭い世界でやってきたのかを思い知らされました。そして、いくつもの病院に勤務するうちに、院内の雰囲気察知能力がアップしたようにも…。このこともあり、転職した今でも時々、麻酔のスポット勤務を引き受けるようにしています。
転職して最初のうちは初めてのことも多く、戸惑いもありました。不慣れなところを看護師さんにカバーしてもらったことも多々あります。それでも現在は、だいぶ慣れてきて、新しい経験もできて、とても勉強になっています。定時で帰宅できることがほとんどですし、自分の健康管理などにも時間を使う余裕も出てきて、心身ともに以前より穏やかに過ごせるようになりました。
その時々で柔軟な選択を
今回、転職・転科という選択をしてよかったと改めて思います。わたしもですが、女性は人生において、いくつも転機があります。結婚、妊娠、出産、子育て、仕事復帰…と書き出したらきりがありません。もちろん男性にも転機はありますが、「妊娠・出産」はかなり特別です。独身のときは、自分のことだけを考えてやりたい仕事ができるかもしれません。しかし、結婚をしたら家族のことも視野に入れて、妥協点をその都度探らなければならず、「自分のやりたい仕事」だけを貫くことは困難になっていきます。妊娠・出産もすれば、なおさら。妊娠・出産はいつ何があってもおかしくないだけでなく、体力も相当奪われます。以前と同じように勤務しようとしても、思うようにできない…といったジレンマを抱えるかもしれません。
この他にも、男女問わず、開業するかどうか、家業を継ぐかどうか、などのテーマにぶち当たることも。人生の岐路に立ったとき、やりたい仕事内容、ライフスタイルや家族の状況などに応じたワークスタイルを、柔軟性を持って選んでみてもいいのではないでしょうか。
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