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コラム

「復職先に求めるもの」、整理できていますか?―女医のつれづれ手帖(19)

2018年5月14日

Yu(ゆう)
復職先に求めるもの=働きやすい環境、この一言に尽きると思います。それを具体的に洗い出し、優先順位を付け、勤務先に伝えられるかどうかが、復職後の働き方を左右するのではないでしょうか。今回は、わたしが復職先に求めたいもの、それをどのように活かして働いているかをお話ししたいと思います。

理解があれば、環境は整う?!

復職先に求めるものは、挙げだしたらきりがないかもしれません。例えば、「時短勤務が可能」、「どんなに仕事が残っていても決まった時間に帰宅させてもらえる」、「(子供の急変などが多いため)急な休みに対応してもらえる」、「通勤しやすい」、「育児や女性医師への理解と尊重がある」「男女問わずお互いに助け合える環境が整っている」など。(もちろん、ママだから優遇してもらって当たり前という考えはNG!)

「育児や女性医師に対する理解」と挙げましたが、おそらく、復職先に最も求めたいものはこれに尽きるかと思います。この理解が病院や組織のトップにあれば、自ずと「時短勤務が可能」、「急な休みに対応してもらえる」、「スタッフみんなで助け合える環境」は整ってくると考えられるためです(もちろん、それぞれ事情がありますから、全てを万全に整えるのは難しいかもしれませんが…)。子どもを授かったら「迷惑」ではなく「おめでとう」と言い合えて、他の医師より早めに帰宅することも「楽をしている、甘えている」ではなく、「仕事以外の時間は全て子どもにかけている」「保育園や託児所の事情もある」―。このような解釈だけでもしてもらえれば、時間通り帰れない日があっても、お互いに嫌な思いをせずに生き生きと働けるのに、とわたしは思います。

そんなに昔の話ではありませんが、かつて、「女医は結婚して子どもを産んだら辞めてしまう」というイメージがもっと強い時代がありました。辞めてしまうのではなく、「辞めざるを得ない状況に追い込まれて辞めている」人も多くいたはずです。最近は、男性も育児参加をする社会になりつつありますが、子育てと仕事のバランスを考えて働く男性医師が増えていけば、誰も肩身の狭い思いをしなくて済む世界に変わっていくのではないか、とも考えています。

子どもへの負担を最小限にするために

長くなってしまいましたが、まずは病院・組織についての求めるものかつ、理想像を述べました。しかし、現実にはこういった職場は残念ながらほとんどありません。これが叶わなかった場合、復職先に求めるものとしては、やはり通勤時間、収入面、週3~4日勤務でも常勤扱いにしてもらえるか、などがよく話題になっている印象がありますね。わたしの場合は、特に通勤時間を優先して仕事を引き受けています。子育ては今しかできないことで、親子であることも一生変わりません。ですから、子どもへの負担が最小限にできるように、自分が仕事を調整するやり方を選んでいます。

具体的には、時間的な余裕を作り出したいがために、極力通勤に時間を取られない働き方をしています。朝は子どもが起きる前に自分の身支度をして、子どもが起きたら着替えて朝ごはんを食べさせるのですが、その途中で子どもが遊んでしまうと、思いのほか時間を取られるもの。保育園にお迎えに行って帰ってからも、「ママ~、ママ~」と足にしがみつかれながら夕飯の仕度をして、お風呂に入れて、寝かしつけて…とやっていると、あっという間に時間が過ぎて「もうこんな時間なのか!」と驚くこともよくあります。とにかく時間が足りないのです。子どもが保育園で急変した時のことを考えても、通勤時間や距離が近い方が対応もしやすい。そういうわけで、復職後メインにした美容内科は、自宅から乗り換えなしで行けるところにあり、非常勤勤務の麻酔業務も1~2件の定時オペで終われて自宅から遠すぎないものを引き受けるようにして、うまくバランスをとっています。

復職先へ求めるものは、それぞれ異なると思います。保育園が決まっていなければ託児所の有無は最重要事項ですし、旦那さんが家で仕事をするような人は、一刻も早くキャリア・スキルアップできるところがいいかもしれません。育児をしながら働くことはパートナーや家族の協力や理解がないと難しいため、家族の意見も参考にしながら復職先を検討していくことになるかと思いますが、自分にはどんな復職先が合いそうか、焦らず吟味することをおすすめします。

Yu
ゆう
麻酔科医・内科医

医学部卒業後、某医局で麻酔科認定医取得。 30代で国際結婚、1児の母。現在は麻酔科・内科医として働きながら、 自身の経験を活かした執筆活動も行う。

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