1. m3.comトップ
  2. キャリアデザインラボ
  3. 転職ガイド
  4. 在宅医療
  5. 在宅医療に関わる政策動向 「24時間365日対応」は可能か
在宅医療

在宅医療に関わる政策動向 「24時間365日対応」は可能か

2014年2月24日

厚生労働省によると、在宅医療のニーズは2012年の17万人から、2025年には29万人へと大きく増加が見込まれており、最近では診療報酬改定のたびに、在宅医療を担い手となる医療機関の評価体制が整備されています。今回はその動向を解説します。

在支診・在支病の創設

2006年度の診療報酬改定において、「在宅療養支援診療所」(在支診)が創設されました。在支診の要件を満たした診療所は、緊急時の往診や看取りの評価が引き上げられ、24時間往診、訪問看護の提供体制が整備されました。また同年行われた第5次医療法改正でも、在宅医療の確保に関する事項が、医療計画に位置付けられました。

その後、2008年度の診療報酬改定では、この動きが病院にも広がりました。半径4キロ以内に診療所のない地域で、在宅医療の主な担い手となっている病院は「在宅療養支援病院」(在支病)として、在支診と同等の評価を受けることとなり、2010年度の改定では、その要件がさらに緩和。近隣診療所の有無にかかわらず、在宅医療の担う病院で200床未満であれば、在支病として認められることとなりました。

ネックになる24時間対応、看取り対応―2012年度には「強化型」も

在宅医療に関わる政策動向 「24時間365日対応」は可能か 写真1

こうした制度による後押しを受け、確かに在支診・在支病は増加しましたが、需要を十分に満たすレベルに達するには課題もありました。「24時間365日対応」を求める在支診・在支病の基準のハードルが高く、届出に二の足を踏む医療機関が多かったのです。また、在支診・在支病として届け出た医療機関の中にも、大きな役割として期待されていたはずの在宅での看取りが、十分に実施できていない施設も多いことが分かりました。

これに対し、2012年度の診療報酬改定では、「機能強化型」の在支診・在支病が新設されました。その要件は、既存の在支診・在支病の要件に加え、在宅医療を担う常勤医師が3人以上いることや、過去1年間の緊急往診5件以上、看取り2件以上の実績があることなど。また、こうした要件を「複数の医療機関での連携」によって満たすことが可能とされた点も、大きな注目を集めました。つまり、診療所同士が連携を取ることで負担を軽減しつつ、24時間365日対応を実現しようという方向が示されたのです。
ただ、厚生労働省が2013年6月の中央社会保険医療協議会で発表した資料(『在宅医療について(その3)』)によると、「機能強化型」の在支診・在支病において、当該施設の医師が主治医ではない患者に対して行う緊急往診は一部となっており、連携によって「24時間365日対応」が実現できるかどうかは、課題の残るところとなっています。

在宅医・訪問診療医としての勤務をご希望の先生へ

医師の転職支援サービスを展開するエムスリーキャリアには、在宅医療“専門”のコンサルタントが在籍しています。

直近すぐの転職をお考えの先生はもちろん「数年後のキャリアチェンジを視野に情報収集をしたい」という先生からのご相談にも応じております。条件面だけでなく先生の叶えたいキャリアに合わせ、ベストな選択肢をご提案させていただきます。

詳しくは下記より、お気軽にご相談ください

この記事の関連キーワード

  1. 転職ガイド
  2. 在宅医療

この記事の関連記事

  • その他

    新型コロナ、医師転職への影響は?転職活動の進め方をコンサルタントが解説(後編)

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、医師の転職市場にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。後編では、医師の転職活動でも取り入れられてきている「オンライン面談・面接」の事例、実際にオンラインで対応する場合のポイントを解説します。

  • その他

    新型コロナ、医師転職への影響は?転職活動の進め方をコンサルタントが解説(前編)

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、医師の転職市場はどのような影響を受けているのでしょうか。この時期、転職活動を開始するか悩んでいる医師へ、医師専門のコンサルタントが転職活動の進め方をアドバイスします。

  • 在宅医療

    これから在宅医療に携わる医師に求められるもの―新田國夫氏(全国在支診連絡会会長・新田クリニック院長)Vol.3

    地域の認知症ケア、在宅医療を取り巻く環境について数々のメディアで積極的に情報発信していることで知られる全国在宅療養支援診療所連絡会の会長で、医療法人社団つくし会・新田クリニック(東京都国立市)の新田國夫院長インタビューVol.3。

  • 在宅医療

    在宅医療 診療報酬改定の動きをどう見るか ―新田國夫氏(全国在支診連絡会会長・新田クリニック院長)Vol.2

    地域の認知症ケア、在宅医療を取り巻く環境について数々のメディアで積極的に情報発信していることで知られるのが、全国在宅療養支援診療所連絡会の会長で、医療法人社団つくし会・新田クリニック(東京都国立市)の新田國夫院長です。 在宅医としてのキャリアを選ぶ上でもカギとなる、在宅医療を取り巻く全体的な動向や、昨今の診療報酬改定への考え、これから在宅医療を展開していく上での考えについて、新田院長のこれまでを振り返りながら伺いました。

  • 在宅医療

    認知症ケアで気づいた在宅医療と病院医療の違い―新田國夫氏(全国在支診連絡会会長・新田クリニック院長)Vol.1

    地域の認知症ケア、在宅医療を取り巻く環境について数々のメディアで積極的に情報発信していることで知られるのが、全国在宅療養支援診療所連絡会の会長で、医療法人社団つくし会・新田クリニック(東京都国立市)の新田國夫院長です。在宅医としてのキャリアを選ぶ上でもカギとなる、在宅医療を取り巻く全体的な動向や、昨今の診療報酬改定への考え、これから在宅医療を展開していく上での考えについて、新田院長のこれまでを振り返りながら伺いました。

  • 在宅医療

    高齢者への予防医学、看取りのために必要なこと―佐々木淳氏(悠翔会理事長)Vol.2

    「在宅医療は、病院の医療とは畑が違います。大前提として、サービスを受ける患者さんは、必ずしも医療を求めていません。最終的な結果に対する安心感や、納得感を求めているということを、強く認識しなければなりません。患者さん自身、終末期の自分の状況を是として受け入れたいし、「自宅で見守られて死ぬことが、残された人生の中で一番幸せな選択肢なのだ」とご家族も信じたい。そのためのサポートをするのが在宅医の役割ではなのだと思います」

  • 在宅医療

    一都三県に訪問診療 持続的な「24時間対応」を目指して―佐々木淳氏(悠翔会理事長)Vol.1

    在宅医療において、質を担保しながら医師が無理なく働き続けられるように、現場ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。今回は、一都三県にまたがる8つのクリニックを通じて在宅医療を提供している、医療法人社団悠翔会(本部=東京都港区)を取材しました。在宅療養支援診療所が制度化された2006年に設立され、急速に成長を遂げてきた同会。これまでの戦略や、訪問診療を繰り返す中で見えてきた「在宅医の役割」について、佐々木淳理事長に聞きました。

  • 在宅医療

    在宅医に求められる経験・スキルは?

    病院勤務と在宅医療では求められる役割が異なります。在宅医療の担い手となる医師には、どのような経験やスキルが必要なのでしょうか。

  • 在宅医療

    在宅医療 個人宅と施設で違いは?

    介護サービスが発達してきた今日、患者の「生活の場」もさまざまです。在宅医として、個人宅を訪問するケースもあれば、有料老人ホームなど、施設を訪問するケースもあります。今回は、個人宅と施設、それぞれを訪問する場合の違いを紹介します。

  • 在宅医療

    在宅医療 高まるニーズの背景

    施設中心の医療から、患者が住み慣れた地域で受ける医療へと、医療提供体制の転換が訴えられています。外来・入院に次ぐ「第3の医療」とも言われる在宅医療。推進の背景をまとめます。

  • 人気記事ランキング