1. m3.comトップ
  2. キャリアデザインラボ
  3. ノウハウ
  4. 調査
  5. 通勤「有効活用できている」医師の過ごし方は?―医師の通勤時間アンケートvol.2
調査

通勤「有効活用できている」医師の過ごし方は?―医師の通勤時間アンケートvol.2

2020年11月11日

医師は通勤時間をどのように過ごしているのでしょうか?アンケート(※)で医師851人に、通勤時間の過ごし方や、通勤時間を有意義に過ごせているのかを聞きました。
(※)2020年8月22日~9月6日、m3.com会員の医師を対象にエムスリーキャリアが実施

「ランニング」「映画鑑賞」…通勤時間の過ごし方は多種多様

通勤時間の過ごし方を複数回答で尋ねたところ、最も多いのは「音楽やラジオを聴く」で、過半数の54.9%を占めました。通勤手段や時間にとらわれないことに加え、スマートフォンのアプリなどで音楽やラジオが聞きやすい環境が整ったことも理由にあるかもしれません。2番目に多いのは読書で15.2%、3番目はネットサーフィンで12.6%です。これらも、スマートフォンやタブレットの普及が背景にあるのでしょうか。また、睡眠という人も10.8%おり、忙しい医師の貴重な休養の時間になっていることもうかがえます。

「その他」の自由記述では、「特に何もしていない」「運転に集中している」という人が多く見られましたが、中には「ランニング」「自転車をこぐことで運動」など体を動かす時間に当てる人や、「映画鑑賞」「車内カラオケ」などで楽しんでいる人もいました。

通勤手段別に見てみましょう。

vol.1によると、医師の2人に1人が車で通勤していますが、やはり運転中とあってできることが限られるため、81.0%は音楽やラジオを聴いて過ごしています。

一方で通勤手段として次に多かった電車通勤者は、さまざまな過ごし方をしています。読書(42.7%)、ネットサーフィン(37.0%)、睡眠(31.3%)が上位に入りましたが、ほかの項目も一定数回答者がいることから、ある程度自由な過ごし方ができるといってもいいかもしれません。

世代別ではどうでしょうか。

どの世代でも、ほぼ半数の医師が音楽やラジオを聞いて過ごしています。

次点は多くの世代が読書ですが、唯一、読書よりもネットサーフィンの割合が高いのが30代です。読書の11.7%に対して、ネットサーフィンは30.0%と大きく上回っています。また、音楽やラジオを聴く割合がほかの年代と比べて少ないのも、ネットサーフィンをしている人の割合が高いことに影響しているのかもしれません。

また、20代と30代は医師としての研鑽を積む年代のためか、学びの時間にあてている人が共に20%います。

通勤時間、有効活用できていますか?

通勤時間を有効に活用できていると答えた医師は、「とても思う」「まあまあ思う」を合わせて、44.2%です。一方で「あまり思わない」「全く思わない」と答えたのは、合計25.7%。毎日一定の時間を過ごす通勤時間を、4人に1人は有効活用できていないと考えていました。

世代別に見てみましょう。

20代は、通勤時間を有効活用できていないと考える人が、53.3%と過半数を占めます。忙しい研修医生活では、なかなか通勤時間を有効に活用するまでの余裕はないのかもしれません。30代になると、有効活用できている層が50%で、できていない層(20%)を大きく上回ります。徐々に仕事に慣れてきて、メリハリをつけて過ごせるようになるのでしょうか。40代は有効活用できている層が41.1%で、30代と比較すると少なくなりますが、それ以降は年代が上がるにつれて有効活用できていると感じる層が多くなっていきます。

過ごし方別にみると、「有効活用できている」と思う層が60%を超えるのは、読書(62.8%)、学び(61.4%)のほか、意外にもゲーム(60.0%)。ゲームは、有効活用できていると思わないという人の割合が最も少ない10.0%で、満足度が高い過ごし方と言えます。

通勤時間への印象は、「とても好き」「まあまあ好き」が34.2%、「あまり好きではない」「嫌い」が28.4%で、ポジティブな印象を抱いている回答がやや上回りました。

世代別に見てみると、「とても好き」「まあまあ好き」を合わせたポジティブなイメージはどの世代も30%~40%が回答しており、最も多かったのは40代で39.3%です。

一方、「あまり好きではない」「嫌い」を合わせたネガティブなイメージは、世代によって開きがあり、最も多かったのは30代(41.7%)、少なかったのは70代以上(22.0%)でした。この30代と70代は、通勤時間を有効活用できていると回答した割合が高い世代。有効活用できているかどうかと、好き嫌いは別の問題のようです。

先生の通勤時間の過ごし方に対する満足度はいかがでしょうか。

vol.3では、医師が職場を選ぶ上で重視する、通勤関連の支援についてご紹介します。

同テーマの記事シリーズはこちら

今の働き方を変えられないか、とお考えの先生へ

まずは現職でご希望を叶えられないか模索いただくことをお勧めしていますが、もしも転職する以外になさそうであればご連絡ください。

現職では難しくとも、他の医療機関や企業などでなら実現できるケースがあります。

週4日勤務、時短、当直・オンコール免除、複数医師体制、担当業務を抑えるといったことは求人に記載されず、医療機関とのご相談次第なことも少なくありません

エムスリーキャリアにお問い合わせいただければ、先生のご希望をどのように実現できそうかお伝えいたします。

この記事の関連キーワード

  1. ノウハウ
  2. 調査

この記事の関連記事

  • 調査

    「宿日直許可」の申請状況、約2割の医療機関が後手に(2023年5月)

    2024年4月から始まる医師の働き方改革。施行まで1年を切りましたが、貴院では「宿日直許可」を申請されましたでしょうか。今回は医療機関で働き方改革をご担当されている担当者119名から回答を得たアンケートを基に、最新の進捗状況をお伝えします。

  • 調査

    医師の働き方改革に暗雲?施行まで1年を切った改革の進捗と医師の本音

    2024年4月から施行される「医師の働き方改革」。時間外労働の上限規制が始まるため、労働時間が厳格に管理されている先生もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は医師532名から回答を得たアンケートから、医師の働き方改革の進捗や最前線で働く医師の本音をご紹介します。

  • 調査

    医師の4割が都道府県またぐ転居に前向き

    医師は、ホワイトカラーに比べると勤務地の候補が多く、住む地域も選びやすい職種です。医師455人から回答を得たアンケートから、他都道府県への転居に対する意識と、勤務先として人気の都道府県を紹介します。

  • 調査

    地方に住みたい!医師が都会を離れる理由

    COVID-19流行をきっかけに、ホワイトカラーではテレワークの普及に伴い、社会全体で地方移住への関心が高まりつつあります。それでは、医師の地方志向はどうでしょうか。医師455人から回答を得たアンケートから、医師の地方転居や移住への興味、検討する上での条件を探ります。

  • 調査

    医師7割弱「補助ある」…研鑽=労働には賛否

    「医師の働き方改革」では、自己研鑽が労働時間に含まれるか否かなどが議論されてきました。2019年7月には厚生労働省から、上司の指示の有無によって労働時間に含まれるかどうかを判断する旨の通知が出ましたが、現場の医師たちはどう受け止めているのでしょうか。

  • 調査

    50歳過ぎても医師が研鑽を続ける理由

    キャリア形成や子育てがひと段落し、第二の人生も考え始める50代以降。いつ医師を引退するかは個人差があり、年齢を重ねても自己研鑽を続ける人は多くいます。今回は自己研鑽をテーマにしたアンケートから50~70代の医師421名の回答を抜き出し、ベテラン医師の自己研鑽の実態をお伝えします。

  • 調査

    人生100年時代に備える!40代に必要な学び

    知識・経験ともに臨床スキルが高まり、チームマネジメントや若手の教育を担う40代。働き盛りにあたる40代の中堅医師は、どのような自己研鑽を行っているのでしょうか。自己研鑽をテーマにしたアンケートから40代医師114名の回答を基に、実態をお伝えします。

  • 調査

    週10時間が当たり前?若手医師の研鑽事情

    一人前の医師になるため、さまざまなことを学び、吸収していく20~30代。医師人生の中でも、最も集中的な自己研鑽が求められる世代と言えそうですが、その実態はどうでしょうか。

  • 調査

    実力?運?医師の出世に必要なこと

    医師の出世や役職について考察する本シリーズ。今回は674名から回答を得たアンケートを基に、医師が出世するために必要なことや、最終的に就きたい役職、そこへ向けての出世の進捗についてご紹介します。

  • 調査

    「感謝どころか文句」4割の医師が出世に後ろ向き

    価値観が多様化し、出世して役職を得ることにこだわらない人も珍しくありません。今回は674名から回答を得たアンケートを基に、医師が「出世したいと思わない」理由や、出世して困ったエピソードをご紹介します。

  • 人気記事ランキング

    この記事を見た方におすすめの求人

    常勤求人をもっと見る