思い悩んだとき、周囲の人のふとした一言で考えが変わることもあるのではないでしょうか。編集部では、医師を対象に「キャリアに影響を与えた言葉」についてアンケート調査を行いました。
医師の約65%が「キャリアに影響を与えた言葉がある」と回答
アンケートは、2017年6月10日~13日にかけてm3.com医師会員93人を対象に実施。このうち62人が「キャリアに影響を与えた言葉がある」と回答。影響を与えた言葉の発言者は、教授、先輩、患者、家族、友人、著名人などさまざまですが、教授や先輩などと答えた人が多く、日頃接する機会が多い目上の人の影響力が強いことが明らかになりました=下記参照=。
言葉をかけられた状況としては、ポリクリや診察中、同僚との飲み会のような日常的な場面から、診療科の選択、医局派遣、開業医になるといった人生の重大な局面を迎えた時など千差万別。以降の段落では、キャリアに影響を与えた言葉とその背景を内容別に一部抜粋してまとめています。
仕事の姿勢
「医者はサービス業だ」
ポリクリ中、医者とはどうあるべきかという話になり、忙しい産婦人科の先生がそう仰っていた。(小児科/50代)
「人が死ぬ(診療)科に勤めよ」
数年上の先輩から、入局を決める頃に言われました。(一般内科/50代)
「病気を診るのではなく、病気をもった病人を診なさい」
卒業後に入局した教授の教えです。全人的医療の重要性を強調された言葉です。(消化器内科/60代)
「手術に携わる外科系の医師は、大胆な臆病者であれ」
先輩とのお酒の席で言われました。(産婦人科/60代)
「僕にはこの人を救えない」
当直中の上級医から、重症外傷を目の前にした状況で言われた言葉。では誰なら救えるのか知りたくなり、東京の救命救急で働く道を探り始めた。現在、救急常勤になって20年経ちます。「仕組みさえ作れば救える、でも仕組みの違う中で救えるかどうか瀬戸際の外傷患者は、1000人に一人。それを救えるかどうかのために仕組みを作る」毎日でした。悔いはありません。(救急医療科/50代)
「内科医は薬の量を調節するのが仕事だろ?」
救急部研修中にオーベンから言われた言葉。常用量で安易に薬を処方せずに、ちゃんと患者一人一人のことを考えて処方しろという戒めでした。そのせいか、ARB+Ca拮抗剤の合剤がなかなか受け入れられない体質になりました。(一般内科/40代)
「透析はできるだけ長い時間、しかも毎日するのが良い」
どの先生から透析を学ぼうか考えていた時、ご自身が透析患者である先生が一番透析のことを知っているだろうと思い、その先生の病院へ行って聞いた。たった1回話を聞いただけだったが、今までもこれがすべてと思っている。(一般内科/60代)
「一生懸命もいいけど、一所で懸命に働くのもいいよ」
四方が海に開けた半島の先端で頑張っている先生に言われて、実際見に行って実感がわいた。(泌尿器科/30代)
「今までのキャリアもプライドも捨てなさい」
医局人事から外れて開業医になる際に、先輩開業医から言われた。(呼吸器科/50代)
人生教訓
「若い頃の1、2年はすぐに取り戻せる」
浪人することになった時に父から言われました。母は反対で、すべり止めの大学に行くことを勧めてきました。この言葉がなければ、全く別の道に進んでいたことでしょう。医者になったのは父のおかげです。(一般内科/60代)
「今やりたいことをやって、将来のことはその時に考えればいいよ」
ポリクリ先の外科の先生から言われました。女性として結婚、妊娠、出産を考えたときに外科でやっていけるかを相談した時です。その先生は男性でしたが、その言葉で消化器外科へ進むことを決定しました。(消化器外科/30代)
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」
きつく、厳しい研修病院に派遣される際、医局長よりお声かけ頂きました。(リハビリテーション科/50代)
「一つの分野で、とりあえず10年やってみなさい」
仕事の方向転換を考える時は、ひとまず10年やってみていいことも悪いことも経験してから、判断しなさいと助言されました。(その他科目/40代)
その他
「こんなに話を聞いてくれた先生、初めてです」
不定愁訴で来院された初診の患者様。不安いっぱいの顔でした。(眼科/50代)
「私は人を叱る時は、3日間待ちます」
尊敬していた外科医のお教えです。いつも全くきついことを言われない先生でしたので、「先生は頭にくることはないのでしょうか?」と聞いた時のお返事でした。(麻酔科/60代)
「キャリア形成は自分自身の問題。医局任せにしてはダメ」
言われたわけではなく、自分の状況からそう判断した。医局任せの人事は、個人のキャリア形成を全く無視して行われている状況からそう判断した。(消化器外科/40代)
今後のキャリア形成に向けて情報収集したい先生へ
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以下のような疑問に対し、キャリア形成の一助となる情報をお伝えします。
「どのような医師が評価されやすいか知りたい」
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