1. m3.comトップ
  2. キャリアデザインラボ
  3. ノウハウ
  4. コラム
  5. 職場復帰で気をつけたい3つのこと―女医のつれづれ手帖(13)
コラム

職場復帰で気をつけたい3つのこと―女医のつれづれ手帖(13)

2017年11月17日

Yu(ゆう)
保育園入園の時期が決まったら、いよいよ育休も終盤。仕事の勘を早く取り戻すことができるか、子どもの体調によって休みがちにならないか、保育園に時間通りお迎えに行けるのかなど、不安を挙げたらキリがないですが、休みをいただいたからには職場復帰について考えなくてはなりません。わたしの場合はフリーランスなので職場はありませんが、仕事復帰にあたり3つのことに気を付けていました。今回は、そのことをお伝えします。

妊娠4カ月で仕事復帰の時期が決定

わたしが仕事復帰の時期を決めたのは、妊娠4カ月頃でした。まだ出産は先のこと、と軽い気持ちで行った保育園の見学会で、生後3カ月から預かってもらえることが判明。「来年の○月なら、まだ空きがあるので入れますよ」と言ってくれたので、他の保育園を見ずに入園手続きに踏み切り、それが自動的に復帰の時期となりました。
待機児童の問題も騒がれているこのご時世、入園がスムーズに決まったことは本当に運が良かったと思います。ただ、生後3カ月というのは、まだまだ手がかかる時期なので心配な面もありました。実際に入園してみると、子どもはいろんなお友だちと触れ合えていい刺激になっているみたいですし、わたしは保育園の先生方から育児のアドバイスを聞くことが出来ていて、本当に助けられています。

医師として職場復帰するのは、それぞれの科や勤務している職場によってさまざまだと思います。麻酔科は特に、数カ月のブランクですら復帰するのが怖くなる科目。一度麻酔をやめてそれっきり怖くて復帰への気持ちが遠のいている、という意見も聞きます。それに、産前・産後に体力を奪われて、そこから休みなく子育てをしているため、妊娠前と全く同じような体力を持って働けなくなるケースもあります。
わたしの場合は、保育園の入園時期に合わせて産後3カ月で復帰することになりましたが、仮に今でも保育園が見つからずにいたら、転科の道を選んでいた可能性も十分に考えられます。正直なところ、もっと手技の少ない科を選択すべきだったかもしれないと、後悔したこともあります。

自分、職場、家族と向き合う

これらを踏まえると、職場復帰するときに気を付けるべきことの一つは、「産後の自分を過信しすぎないこと」ではないでしょうか。たった数カ月でも、勘は確実に鈍っています。復帰したての頃は、周りにどんなに急かされたり、期待されたりしても、様子を見ながら仕事をする方が良いと思うんです。現にわたしも、復帰後2カ月くらいは仕事をセーブしていたのですが、なんとなく断り切れずに引き受けてしまった仕事もありました。外では仕事が、家では子育てが待っている状態に、予想以上に早い限界を見ました。この経験から、最近では仕事と同じくらい体力回復にも力をいれるようにしています。体力が戻ってくれば、仕事も、子育てもキャパシティーが増えて、もう少し楽に出来るようになってくるはず!と思ってやっています。

気を付けるべきことの二つ目は、職場復帰したときに「ご迷惑おかけしました」と謝罪するのではなく、「おかげさまで子供も元気です。ありがとうございました」と感謝を伝えることだと思います。
日本人は、何でもすぐに謝りがちではないでしょうか。妊娠・出産はおめでたいことですし、何より命がけの行為です。一方で、自分が産休・育休を取っている間に、他の人達が仕事をカバーしてくれていて、これからも多々フォローしてもらうことになることも事実。ですので、ここは感謝の気持ちを最大限に伝えるのが良いのではないでしょうか。もしわたしが勤務医だったら、女医さんが育休から復帰をしてきた時に、謝られるよりも、明るくお礼を言われた方がいいですし、お互いに前向きな気持ちになれると思います。少なくとも「わたしはママだから」と横柄にならなければ良いと思うのですが、いかがでしょうか。

最後に、いつも育児を手伝ってくれている家族にも感謝の気持ちを伝えないとダメですね。わたしも必死になり過ぎて「こっちは仕事が大変なんだから!」と旦那や親に当たってしまい、「どっちが忙しい合戦」となり喧嘩することもしばしば(笑)。しかし、仕事をしているのは旦那も同じであり、親もわざわざ遠くから来てくれています。そのことを忘れてはいけないと思いつつ、最近の態度を振り返り反省中です。そして、仕事も軌道に乗ってきた今、次は「いつ二人目を産むのか」というテーマとの闘いと葛藤が始まるのでした(笑)。

Yu
ゆう
麻酔科医・内科医

医学部卒業後、某医局で麻酔科認定医取得。 30代で国際結婚、1児の母。現在は麻酔科・内科医として働きながら、 自身の経験を活かした執筆活動も行う。

仕事とプライベートを両立しながら働きたい女性医師の方へ

結婚・出産・育児・介護などを考えると、今の勤務先は続けにくいとお悩みではありませんか。

エムスリーキャリアは全国10,000以上の医療機関と提携し、以下のような希望を叶えられる求人もお預かりしています。
●オンコール・当直・時間外勤務なし
●複数体制で急な休みが取りやすい
●院内保育園完備、保育所までの送迎あり

ご希望であれば女性のコンサルタントが担当いたしますので、お気軽にご相談ください。

この記事の関連キーワード

  1. ノウハウ
  2. コラム

この記事の関連記事

  • コラム

    コロナ禍だから振り返りたい「扶氏医戒之略」―わたしの女医ライフ

    ドクターと医学生の交流を目的とし、将来の選択肢を増やすためのイベント「Doctors’ Style」の代表を務める正木稔子先生が、「女性医師だからできない」ことではなく、「女性医師だからできる」ことについて語ります。

  • コラム

    女医を悩ます「2人目の子」のタイミング―女医の「2人目」問題 vol.2

    当然のことながら、子どもを授かるということはそう簡単なテーマではありません。2人目に限らず、「いつ子どもを出産するか」は、働く女性にとっての永遠のテーマとも言えます。難しい問題ではある一方で、「いつ出産したら、どんなリスクがあるのか」を意識しておくことで、出産・育児がスムーズになる側面もあるでしょう。2人目の出産を悩んだ女医の一人として、2人目の子どもをいつ出産すべきか、読者の皆さんと一緒に考えたいと思います。

  • コラム

    女医に立ち塞がる「2人目の子」の壁―女医の「2人目」問題 Vol.1

    私の親しい女医仲間や女医に限らずとも、仕事を持つ女友達の間では、「2人目どうする?」という話題が顔を合わせるたびに出てきます。自分の身の回りだけでもこれだけありふれているのだから、全国的にみたらかなりの割合で「2人目」について悩んだり考えたりしている女性がいるということではないでしょうか。私自身も1人の子どもを持ち、今すぐではないにしろ、近しい将来2人目も考えている当事者ですので、自分の考えや、周囲の声も織り交ぜながら、読者の皆様と一緒に「2人目問題」についての事柄を整理していければ幸いです。

  • コラム

    どう築く?産後のキャリア─女医のつれづれ手帖(22)

    子供が生まれたことで、医師としての目標と母としての理想の狭間で揺れる方も多いでしょう。復職するのか否か、働き方はどうするのかなど、悩む内容も人それぞれ。今回は、私なりの産後のキャリアプランの描き方についてお話したいと思います。

  • コラム

    不測の事態、どう対応する?職場で子育てを応援してもらうには─女医のつれづれ手帖(21)

    産休・育休明けは、生活リズムの変化や久々の職場復帰など自分自身の負担も大きくなる時期。不測の事態に対応するためにも、家庭や職場からバックアップしてもらえるよう働きかけていく必要があります。今回は、私がどのように育児と仕事の両立をしているか、周囲との関係づくりのポイントも含めお話したいと思います。

  • コラム

    実録! 1歳3カ月の子どもを持つ、女医ママのタイムスケジュール―女医のつれづれ手帖(20)

    ただでさえ多忙な医師が、仕事をしながら子育てをするのは想像がつかない―。そのように考える女性医師は少なからずいるのではないかと思います。実際に働きながら育児をしてみると、工夫次第で何とかなるものです。今回は、1歳3カ月の子どもを持つわたしが、どのようなスケジュールで過ごし、何を重視して仕事と育児に取り組んでいるかをお伝えできればと思います。

  • コラム

    「復職先に求めるもの」、整理できていますか?―女医のつれづれ手帖(19)

    Yu(ゆう)先生インタビュー。復職先に求めるもの=働きやすい環境、この一言に尽きると思います。それを具体的に洗い出し、優先順位を付け、勤務先に伝えられるかどうかが、復職後の働き方を左右するのではないでしょうか。今回は、わたしが復職先に求めたいもの、それをどのように活かして働いているかをお話ししたいと思います。

  • コラム

    女医ママの復職先、探し方のポイント―女医のつれづれ手帖(18)

    「今の勤務先で出産後も働き続けるか」「今の勤務先を辞めて、出産後は違う勤務先で働くか」―。子どもを授かった女医にとって、出産後にどう働くかは悩ましい問題ではないでしょうか。わたしはフリーランスという立場ですが、仕事と育児のバランスをとるために、産休前と復職後で働き方や勤務先を変えました。今回は、復職にあたり、わたしがどのように職場を探したかについてお話したいと思います。

  • コラム

    甘え上手は仕事復帰しやすい?!―女医のつれづれ手帖(17)

    Yu(ゆう)先生インタビュー:産休・育休中から仕事復帰をする場合、さまざまな関門が待ち構えています。それをクリアするためには、周囲の協力が必要不可欠。今回は、仕事復帰にあたり「いかに支えてもらうか」を実現させるために、わたしが実践したことをお伝えしたいと思います。

  • コラム

    あえて理由は告げずに退職。悔いない転職のために、わたしが考えたこと―女医のつれづれ手帖(16)

    Yu(ゆう)先生コラム:現職との退職交渉は、医師の転職活動における最難関と言っても過言ではありません。タイミングや伝え方次第で、新しい職場へのスムーズな入職が難しくなってしまうことも少なからずあるようです。今回は、わたしがどのように退職意向を伝えたか、入職日までどう過ごしたかも併せてお話ししたいと思います。

  • 人気記事ランキング