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アルバイト(非常勤・スポット)

選び方次第で市場価値が上がる?定期非常勤の活用方法

2018年5月19日

医師の多様な働き方を叶える「非常勤」勤務。非常勤勤務の理由として、年収アップはもちろん、キャリアやスキル向上のためと考える医師も少なくありません。(参考:医師434人に聞く、アルバイト体験)今回は実際の転職事例から、より専門性を高める事例とキャリアの幅を広げる事例、2つの視点から定期非常勤活用術をお伝えします。

専門性を生かし、症例経験を積む

「より自分の専門性を生かしたい」、「ある特定疾患の症例経験を積みたい」という医師の場合、非常勤で専門外来に進むという選択肢があります。この場合、医療機関側も即戦力を求めるため、専門外来に関連する科目について5年以上の経験を有する方や専門医取得者が優遇される傾向にあるようです。

【非常勤勤務を通して、専門性を探求した事例】
●30代男性 専門:一般内科 勤務先:糖尿病内科外来
(非常勤勤務を希望した背景・理由)
常勤先でも糖尿病を専門としているが、受験直前のため専門医未取得。より症例経験を積むために定期非常勤を開始。

●40代男性 専門:精神科 勤務先:認知症医療(もの忘れ外来)に強みを持つ病院
(非常勤勤務を希望した背景・理由)
精神科クリニックで外来を受け持っていたがカウンセリングに近い相談が多く、自身のスキルダウンを危惧。今後ニーズが高まる認知症領域を自身の強みにするため、認知症患者の比重が大きい病院に勤務。

※そのほか、一般内科の医師が漢方外来や禁煙外来に進むという事例も。

一方、エムスリーキャリアのコンサルタントによると、専門外来は求人自体がかなり希少で、該当地域も都市部に多い傾向があるようです。そのため、専門外来に挑戦したい場合はピンポイントでその分野に挑戦したいのはなぜか、その領域をやる上で自身が生かせるスキルは何かを、きちんと言語化することが大切とも言えるでしょう。

自身の経験はベースに、普段とは違う分野に挑む

非常勤選びの軸としては、自身の専門性を踏まえたうえで別領域を学ぶという選択肢もあります。この場合、いきなり常勤ではなく非常勤から始めることで、自分のペースで、情報収集をしながら働けるというメリットもあります。

【自身の経験をベースにしつつ、別領域を学んだ事例】
●30代男性 専門:形成外科 勤務先:美容形成外科のクリニック
(非常勤勤務を希望した背景・理由)
給与アップと美容領域に興味があり、転科を見据えて非常勤を開始。形成外科でベースの知識はあるものの未経験のため、院長のもとで研修ができるクリニックに着任。

●40代女性 専門:小児科 勤務先:一般内科クリニック
(非常勤勤務を希望した背景・理由)
専門の小児科だけでなく、成人内科にも対応できるクリニックの開業を目指しているため、一般内科クリニックに小児科医として勤務。小児外来を受け持ちながら、空き時間で成人内科を学ぶ。

別領域を学ぶ場合も専門外来同様、即戦力が求められる傾向があります。そのため、自分の専門性を生かして貢献するのはもちろんのこと、医療機関側に専門外の研鑽を積みたい旨を面接等で明らかにしておくと安心でしょう。

他方、特定の専門性を問わず、挑戦できる領域として注目されているのが「訪問診療」です。2018年の診療報酬改定においても在宅医療の需要は今後も高まると予想されており、求人も増加傾向にあります。中には経験者のみという条件を設けるところもありますが、全身管理ができれば科目不問、未経験者歓迎というところも。年齢も、医師としての経験が浅い後期研修医から、第一線を退いた世代まで幅広くフィットするため、自身のサブキャリアやセカンドキャリアとして、訪問診療に挑戦する医師も見受けられます。

【非常勤勤務で在宅医療クリニックに挑戦した事例】
●20代男性 専門:後期研修中
(非常勤勤務を希望した背景・理由)
医師としての経験は浅いが給与アップを目指すため、非常勤勤務を希望。当初は外来業務中心で検討していたが、在宅医療クリニックの院長などとの面談を通して訪問診療への興味・関心が湧き、週1(半日)から非常勤勤務を開始。

●30代女性 専門:一般外科
(非常勤勤務を希望した背景・理由)
療養型病院に一般外科医として勤務していたものの、ゆくゆくは在宅医療に従事したい思いがあり、まずは非常勤勤務から挑戦してみることに。未経験のためフォロー体制が整っている勤務先を検討。常勤先もあるため、なるべく自宅から近く、通いやすいところで勤務を開始。

●40代女性 専門:眼科
(非常勤勤務を希望した背景・理由)
無眼科地域での勤務を希望するも、外来では該当の医療機関なし。そのため、在宅医療クリニックで眼科の訪問診療部門を立ち上げ。患者の視力を測ったり、眼鏡を合わせたりといった眼科専門の訪問診療医として勤務を開始。

さまざまな事例が示す通り、専門性を深めることも、自身の経験領域を広げることもできる定期非常勤。自身の経験・スキル、希望条件を整理しながら、上手に活用してみてはいかがでしょうか。

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