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アルバイト(非常勤・スポット)

フリーランス医師が語る、スポットアルバイト活用術

2018年3月13日

わたしはフリーランス医師として定期非常勤で週5日、3病院で働いています。症例がなければ、その日は基本的に休みとなるので、そんな時にスポット案件を活用しています。今回は、前回よりも詳しく、わたしの実体験に基づいたスポット案件の探し方をお伝えします。
【執筆:大見貴秀(おおみ・たかひで)】

定期非常勤もスポットも、転職エージェントでワンストップ

わたしは定期非常勤の勤務先を転職エージェントで探しています。そのため、非常勤先の急な休みの連絡は転職エージェントを通じて来るため、すぐにスポット案件を探してもらえます。と言うよりは休みの連絡と同時に、スポット案件の紹介もしてもらえることが多く、勤務先を探すのに苦労したことはありません。

同時に、そのほかに登録している転職エージェントにも声を掛けて、休みになった日の案件を紹介してもらいます。どんな条件を重視しているかあらかじめ伝えておけば、スピーディーにスポット案件を決めることができるでしょう。

注目する条件は、立地と担当症例

わたしがスポット案件で求めることは、まず、定期非常勤先の給与を下回らないこと。とはいえ、スポット案件は定期非常勤よりも給与水準が高くなることが多いので、この条件はほとんどクリアできます。

ちなみに、東京都内は基本的に医師が充足しているため、地方よりも給与水準が低い傾向にありますが、スポットは緊急性の高さから、東京都内でも地方とほぼ変わらない給与となっています(少なくともわたしが専門としている麻酔科では)。そのため、定期非常勤では東京から1~2時間程度の地方都市で働いていることが多いわたしも、スポット勤務では東京都内で働くことが多いです。

残りの条件は立地と担当する症例です。

立地については、初めて勤務する病院は慣れないこともあり、なるべく早く着くように心がけているので住んでいる場所から近い病院を希望しています。具体的には、おおよそ1時間以内の通勤圏内の病院を探してもらえるように、転職エージェントに伝えてあります。

もう一つは症例です。例えば常勤医がおらずスポット医師のみが勤務している場合、中にはリスクの高い症例を担当することがあります。わたしの場合はまず、スポットを紹介された時に苦手意識のある症例がないかどうかを確認し、できれば常勤医が勤務していることを条件としています。

ただしこういった情報は、転職エージェントのサイト上では公開されていないことが多いでしょう。情報を引き出すには担当者と直接やり取りするのが近道です。スポットは単発なので気軽に応募できますが、より詳細な情報を引き出すためにも、転職エージェントの担当者を通じて応募をしたほうが良いように感じます。

医師・医療機関、ともにメリットがあるスポット勤務の魅力

医師にとってのスポット勤務の魅力は、不可抗力で空いてしまった時間に働けることだと思います。さらに残業はほとんどなく、定時で帰宅できるため、プライベートの時間をしっかりと取ることができます。働きたいときにだけ働くスポット勤務のみの医師もいらっしゃるかもしれません。

こうした働きやすさの一方で、スポット勤務が楽で社会貢献性が低い就業形態か、と言われるとそれは違うとわたしは考えています。なぜなら、東京都や大阪府などの大都市はともかく、地方ではまだまだ医師不足が大きな問題となっているからです。医師がいないことで予定していた手術などができないのは、国民への平等な医療提供の支障となります。決まった病院でとても忙しく働いている常勤医が地域の医療を支えていることはもちろんですが、スポットで働く医師についても、急な医師不足の状況に対応している重要な役割を担っていると個人的には思います。

大見 貴秀
おおみ たかひで
麻酔科医

フリーランスの麻酔科医。医師としての活動のほか、不動産賃貸業、法人の代表取締役として活動中。ヘルスケア情報の発信、資産形成情報の発信を目的として様々な事業展開を行っている。

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