医師の転職が一般的になるにつれて、転職活動のスタイルも多様化してきました。一口に求人情報を探すといっても、いくつかの方法があります。今回は、医局人事を除いた医師の3大転職方法について、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
転職スタイルにも一長一短
医師の転職には大きく、3つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットは、以下の表のようにまとめられます。次の段落では、これらの理由について解説していきます。
「知人紹介」はミスマッチが少ないが、契約条件に注意
医師の世界で一般的なのが、知人からの紹介による入職。m3.comが過去に行ったアンケートでは、およそ4割の医師が、大学時代の同級生や元同僚といった知人を通じて転職したと回答しています*。
- 【メリット】
- 紹介してくれた医師から、診療内容や症例数、病院の雰囲気などを詳しく聞くことができるため、入職後のミスマッチが少ない
- 自院医師の紹介で医療機関側の信頼が高いため、入職までの手続きをスピーディに進めてくれる可能性がある
- 【デメリット】
- 個人的なつながりによる入職のため、雇用契約があいまいになるケースがある
- 紹介してくれた医師への気兼ねから、ミスマッチが起こっても辞めにくい
- 紹介してくれた知人とは同僚になるので、転職を通じて人間関係が多少変化する
しかし、個人的なつながりによる入職のため、雇用契約があいまいになるケースもあります。紹介してくれた医師への気兼ねから、ミスマッチが起こっても辞めにくいなどのデメリットもあります。年収や勤務日数だけでなく、福利厚生などの契約条件は、入職前にしっかり確認しておきましょう。
人材紹介会社は転職活動の手間が省けるが、企業の“質”に注意
知人の紹介に次いで多い転職方法が、医師人材紹介会社(以下、紹介会社)の利用です。転職経験のある医師のおよそ3割が利用していると言われます*。
- 【メリット】
- コンサルタントが例年の傾向や全国的なトレンドを踏まえ、転職の相談に乗ってくれる
- 求人探し、医療機関側との調整をコンサルタントが代行してくれる
- 通常は市場に出回っていない、非公開求人を紹介してもらえる
- 一般的には、これらのサービスを無料で受けられる
- 【デメリット】
- どの紹介会社を利用すべきか判断しづらい
- 紹介会社によって、保有求人数が少ないケースもある
- コンサルタントが医師のキャリアや勤務環境について熟知していないケース
厚生労働省職業安定局のサイトで調べたところ、全国に医師を対象としている紹介会社は600社以上(2017年11月現在)。実績や対応力は玉石混交です。自分自身との相性を見極めるためも、まずは気になる会社に複数社に登録して「転職を無理強いしてこないか」「自分の専門科目についての知識は十分か」などといった点を確認してみても良いでしょう
自己応募や自治体のドクターバンクで可能性を広げる
ほかにも、医療機関のホームページなどを見て直接コンタクトをとる自己応募や、自治体などのドクターバンクを利用する方法もあります。
- 【メリット】
- 求人サイトや紹介会社を利用していない医療機関に応募することができる
- ドクターバンクを利用する場合、自治体職員が対応してくれる
- 【デメリット】
- 情報収集や条件交渉なども自分で行うため、負担が重く、時間がかかりがち
- 実名を明かして応募することが多いので、秘密裏に転職活動を進めにくい
いざ自分で問い合わせるとなると、緊張してしまうかもしれませんが、医療機関や自治体側も医師からの問い合わせには好意的に対応してくれ、条件の確認や病院見学のセッティングも前向きに検討してくれる傾向があります。気になる医療機関、希望勤務エリアがあれば積極的に問い合わせましょう。
エムスリーキャリアは、より多くの選択肢を提供します
先生方が転職をする理由はさまざまです。
- 現状のキャリアや働き方へのご不安・ご不満
- ご家庭の事情や、ご自身の体力面などの事情
- キャリアアップ、新しいことへの挑戦
- 夢の実現に向けた準備
など、多様なニーズに応えるために、エムスリーキャリアでは全国から1万件以上の求人を預かり、コンサルタントは常に医療界のトレンド情報を収集。より多くの選択肢を提供し、医師が納得のいく転職を実現しています。
転職すべきかどうかも含め、ご相談を承っています。