1. m3.comトップ
  2. キャリアデザインラボ
  3. 転職ガイド
  4. 年収アップ
  5. 年収アップの転職、30代・40代・50代でどう変わる?―医師の転職カルテvol.21
年収アップ

年収アップの転職、30代・40代・50代でどう変わる?―医師の転職カルテvol.21

2020年8月7日

医師の転職理由のひとつに挙げられる「年収」。年収アップできた医師の転職には、どのような特徴があるのでしょうか。今回は人材紹介会社を利用した転職事例から、年収アップのポイントを年齢別に紐解きます。

30代は大胆なシフトチェンジ

30代、特に30代半ばまでは研修中や専門医取得前後の医師が多く、自身のスキルや経験をストレートにアピールすることは難しいかもしれません。状況によっては、コンサルタントから現職にとどまることを提案される可能性もあります。それでもどうしても年収アップに重きを置きたいのであれば、次に示す事例のように、自身の環境をガラッと変えるのも一案です。両者ともにこれまでのスキルや経験をもとにした挑戦です。

30代男性 外科 年収1000万円 → 2200万円

卒後から大学病院で勤務。昨今の自然災害で実家が被災。自宅の再建などで両親への経済的サポートが必要になり、早急に年収アップするために転職を決意。専門の外科の知識と経験を生かして働ける訪問診療のクリニックに転職。

年収アップのポイント
(1)訪問診療への転科
(2)訪問診療クリニックへの転職

30代男性 皮膚科 年収600万円 → 2500万円

卒後から大学病院で勤務。大学病院での勤務はやりきったという気持ち。皮膚科専門医ではなく、美容外科・美容皮膚科の道に進むと決めたため、非常勤やスポットで慣れつつ、常勤先を検討。勤務内容、年収2000万以上、法人との相性などを重視してクリニックに転職。

年収アップのポイント
(1)美容外科・美容皮膚科への転科
(2)自由診療クリニックへの転職

40代はできることの棚卸しを

40代は各自の専門性を突き詰め、転職市場で最も重宝される年代です。資格の有無や当直・オンコールなどの勤務条件、外来や病棟の担当数、手術数といったこれまでの臨床実績など、自分ができることを棚卸して、アピールポイントを明らかにしておくといいでしょう。医師を募集している医療機関に、そのアピールポイントにあたる医師がいない場合、条件を引き上げてでも採用したいというケースが多くあります。

40代男性 産婦人科 年収2400万円 → 2800万円

民間病院で勤務。中高校生3人の子どもの教育費が掛かるため、年収アップを第一優先に転職を決意。外来から病棟管理まで業務内容を絞らず、当直なども限度を緩和。年収が上がれば転勤しても良いという考えがあったため、希望エリアで内定を得た後も、全国でそれ以上の条件の病院がないかどうか、念のため担当のコンサルタントがリサーチし、最も良い条件の病院に転職した。

年収アップのポイント
(1)外来・病棟管理・分娩まで幅広い業務に対応
(2)当直回数やエリアなどの条件をできる限り緩和

40代男性 整形外科 年収1500万円 → 2200万円

民間病院で勤務。指導医を取得したため、金額面でより評価してくれる病院への転職を希望。妻も医師のため、2人の子どもの子育てはある程度余裕が持てるよう勤務条件の細かい点もしっかり確認。自己応募もしたが、コンサルタントが介在し、当直なしで高年収が叶えられる病院が見つかった。

年収アップのポイント
(1)自身の資格・経験が生かされる病院選び
(2)病院は体制強化加算や研修認定施設などが認定可能になり、収支や採用でプラスに

50代は年収アップのラストチャンス

多くの医療機関では、60歳以降になると年収が抑えられてしまう傾向があるため、年収アップを目指すなら50代がラストチャンスといえそうです。多少のブランクがあっても、これまでの臨床経験、マネジメント経験は一定の評価はされるもの。積極的にアピールできると良いでしょう。

50代男性 循環器内科 年収2000万円 → 2400万円

現勤務先の症例数、給与ともに、思いのほか自身の将来プラン通りには行かないことを懸念し、転職を検討。前職では心臓カテーテル検査を年間200件などの実績があり、各種専門資格も持つ循環器内科のスペシャリスト。症例数だけでなく部長職以上、手技料が生じるものはその10%をインセンティブとして受け取るといった希望にこだわり、それらが叶う病院に転職。

年収アップのポイント
(1)高度な専門知識と豊富な臨床・治療実績のアピール
(2)自身の実力に応じた役職・インセンティブなどにこだわり

50代女性 リハビリテーション科 年収1000万円 → 1800万円

前々職の病院では新たに科目を立ち上げ、リハビリスタッフが100人規模になるまで10年以上、臨床とマネジメント業務を両立。その後は地域医療に貢献しようと地元に戻ってきたものの、以前のようなやりがいが得られなかったため、改めて他県での転職を希望。内科全般、往診、看取りなども対応可能な点もアピールしながら、回復期スタッフを増員中の病院に、リハビリテーション科の統括部長として転職。

年収アップのポイント
(1)臨床とマネジメント業務の豊富な経験
(2)病院の注力分野と自身の強みがマッチ

収入アップが必要な先生へ

収入アップが必要なご事情も踏まえ、転職すべきかどうかや、どのような求人があるかをご案内できます。

特に、以下のようなご事情を抱えていらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

「奨学金等を早く返済したい」
「子どものために収入を確保しておきたい」
「頑張っている分をもっと評価してほしい」
「将来の夢のために資金が必要」

エムスリーキャリアは全国10,000以上の医療機関と提携して、多数の求人をお預かりしているほか、コンサルタントの条件交渉によって求人を作り出すことが可能です。

この記事の関連記事

  • 企業(産業医・MD・社医)

    産業医が身につけたいビジネスマナー

    産業医として企業で働く際に知っておきたいビジネスマナーについて紹介します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    産業医面談で従業員が泣いてしまったら?

    産業医面談の際、従業員が泣き出してしまうような場合の対応例を紹介しています。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    産業医のキャリアパス「1社目の壁」を越えるには

    産業医の仕事は社会貢献性が高く、臨床とは一味違ったやりがいのある仕事です。本記事では、産業医になるための第一歩から、その後のキャリアの積み方、そして将来的な選択肢について紹介します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    【産業医という働き方】産業医の役割・業務内容

    本記事では産業医の役割と業務内容について解説しています。これから産業医として働きはじめたいという方が知っておきたい要点をまとめました。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    「産業医は精神科で無くても大丈夫」企業のメンタルヘルス解決法

    令和5年度の「精神障害に関する事案の労災認定」件数は3,575件(前年度比892件増)と、企業にとってメンタルヘルス対策は重要度を増しています。企業で解決する強い味方である産業医について、対策法と誤解されやすいポイントを紹介します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    はじめての産業医:どうとる?担当者や従業員とのコミュニケーション

    産業医として企業に勤務する際に知っておきたいコミュニケーション術についてご紹介します。

  • 年収アップ

    定期非常勤アルバイトで収入を高めるためのポイントとは?

    医師にとって、安定的な収入源となる定期非常勤のアルバイト。今回は、収入増加策という視点から、効果的な求人の探し方を解説します。

  • 年収アップ

    医師が転職で収入を増やすポイントとは?

    医師が年収を増やすためには、昇給・昇格に値する実績を積む、思い切って転職するなどの方法があります。転職をする場合、事前に知っておきたいのが、転職先で確実に年収を増やせる見込みがあるかということ。今回は、転職を視野に入れて年収を増やせる方法を考察します。

  • 年収アップ

    医師がスポットアルバイトで効率的に収入を高めるポイントとは?

    常勤先を持ちながらもスポットアルバイトで臨時収入を得られるのは、医師という職業の大きな特徴。今回は、効率的なスポットアルバイト活用術について、考察します。

  • 年収アップ

    インセンティブ手当とは?医師の歩合給のポイント

    クリニックや外科系科目など、出来高で売上が上がる診療形態を取っている医療機関を中心に、導入が進んでいるインセンティブ手当。賛否は?

  • 人気記事ランキング

    この記事を見た方におすすめの求人

    常勤求人をもっと見る