インセンティブ手当とは、外来のコマ数や手術数など、実績に応じて医師の収入を変動させる歩合制の給与体系のこと。クリニックや外科系科目など、出来高で売上が上がる診療形態を取っている医療機関を中心に、導入が進んでいる。
インセンティブ手当のメリットとデメリットとは
インセンティブ手当を取り入れることで医療機関側にとっては、売り上げに応じて給与を支給できるため効率化的であるほか、医師にとっては実績に応じて給与が支払われる分モチベーションが高まりやすい、透明性が高いというメリットがある。
一方、外来コマ数や手術数をこなすほど給与が増える分、過重医療を招くのではといった懸念もあり、導入には慎重論も。過剰医療に至る懸念も考慮して、患者へのアンケートなども取り入れることで医療の質とのバランスを取る医療機関もあるので、転職時は法人の方針なども把握し、自身の診療ポリシーとの兼ね合いも考えながら入職可否を検討したい。
インセンティブ手当を導入しやすい医療機関とは
前述の通り、インセンティブ手当を導入し易いのは、外来コマ数によって売上が変動するクリニックや、出来高点数が稼げる外科系科目。外来患者数、手術数、診療報酬点数など、どの指標と連動させてインセンティブ手当を支給するかは科目や医療機関によってさまざまだが、自身の診療方針とも照らし合わせて、納得感のある給与体系の医療機関を探し出せれば、モチベーションを保ちながら、高収入を得ることも可能と言える。
インセンティブ手当に対する医師の意見
エムスリーキャリア編集部が医師にアンケート調査を行ったところ、インセンティブ手当に対する医師の認識は以下の通り。
なお、調査概要は以下の通り。
・調査方法:m3.com会員の医師にWEBアンケートを実施
・回答期間:2015年5月23日―27日 回答:2238人(内訳:内科系1159人、外科系850人、その他229人)
出来高制を「導入すべき」または「どちらかと言えば導入すべき」と回答したのは全体の48.5%。「働く医者と働かない医者が同じ給料ではやってられない」(40代、産婦人科)、「モチベーションの一つになると考えるから」(30代、整形外科)などの声が挙がっている。
一方、「導入すべきではない」または「どちらかと言えば導入すべきではない」と答えたのは、21.5%。「患者数などで出来高制を導入されると1人に時間がかかる患者を避ける傾向が出るのではないか?」(50代、耳鼻咽喉科)、「利益を念頭におきながらの診療は、臨床現場の各場面において(手術適応等)判断を歪める可能性が大きいと考える」(30代、形成外科)などのコメントが寄せられている。
科目別に回答の内訳をみると、特に外科系では56.7%と過半数が出来高制賛成派で、特に救急科(66.7%)、整形外科(62.2%)、産婦人科(59.8%)、一般外科(57.8%)が高い結果に。一方、内科系における賛成派の割合は43.3%と、外科系に比べれば低いものの、反対派(25.3%)を大きく上回る結果となっている。
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