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エリア別医師の求人トレンド【北日本編(2)】

2019年11月9日

国内の転職市場の中でも、最も年収提示額が高い地域を含む北日本(※)。医師不足に悩む地域がある一方で、都市によっては医師・病院ともに医師充足傾向のエリアでもあり、転職先が限られるケースもあります。中には働く環境や働き方において、地域特有の事情を抱えていることも。北日本で働く場合、医師の待遇や歓迎される条件はどういったものが多いのでしょうか。医師の転職支援コンサルタントに聞きました。
※本稿における「北日本」は、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、長野県、新潟県、富山県、石川県、福井県を指します。

北海道、東北地方の医師の待遇は?

北日本において年収提示額が最も高いのは北海道ですが、札幌市内は医師が充足しているため、年収1300~1800万円程度と平均的な水準です。福利厚生は社会保険のほか、学会参加のための旅費や宿泊費の負担など、大抵は標準的なものが用意されています。
札幌市以外の地域では年収水準が上がる傾向にあり、10年未満の若手医師が1600万円~1800万円、20年以上のベテラン医師であれば2000万円~2500万円程度となります。
僻地の場合はさらに高額になり、経験10年未満であっても2500万円で転職したケースがあります。札幌市内と比べると医師が集まりにくいこともあり、福利厚生も自ずと手厚くなります。社宅を格安の家賃、あるいは無償で提供しているケースが多くあります。単身赴任の場合は、帰省費を医療機関が負担するほか、帰省時には飛行機の時間に合わせて勤務時間を短縮するなど、医師の生活スタイルに合わせて柔軟に対応していることが多いようです。

東北地方は、宮城県仙台市においては医師が充足しているので、年収相場は1300万円~1800万円となります。その他の県も、県庁所在地は仙台市と同水準ですが、医師不足の地域であれば1800万円~2200万円という給与水準になります。福利厚生は北海道ほど手厚くはないものの、関東地方から通う医師に対しては、新幹線通勤の定期券代が支給されることがあります。

長野県、新潟県、北陸地方の医師の待遇は?

長野県の年収相場は、1400万~1800万円と標準的です。ただし、単身赴任で勤務していたり、遠方から通勤していたりする場合は、帰省費や交通費の支給がされる場合があります。

新潟県は医師の偏在が大きいエリアです。医師の充足している新潟市は年収相場が1500万~1800万円になりますが、上越地方や山間部など医師不足の地域は1800万~2200万円と高くなります。

富山県、石川県、福井県については医師が充足しているため、平均的な年収相場より低く、1200万~1500万円となります。福利厚生も、学会の参加費の負担など一般的な範囲になるでしょう。

北日本で転職する際に有利な条件とは?

北日本で既に働いている医師にとって、転職する上で重要なことが円満な退局・退職です。
各県内に大学が1校(北海道は3校)あり、大学医局に所属している、もしくは所属していた医師のネットワークがあります。また病院同士の繋がりも強いため、道内・県内での転職時には、現勤務先とのトラブルが元で内定が出ない場合もあります。辞める際は慎重に進めるのが望ましいでしょう。

また、歓迎されるのは、道外・県外からの転居・単身赴任可能な医師です。医師不足の地域が多いため、他エリアからの医師は重宝されています。面接に行く際には、なぜその土地や病院に興味をもったのかを伝えられると、病院の心証は良くなるでしょう。
最近は、勤務を希望する医師に対して積極的にアプローチしようと、病院の関係者が都市部へ出向いて面談の機会を設ける医療機関も増えています。

ベテラン医師に求める経験・スキルは関東・関西地方の都市部ほど厳しくないものの、長期で勤続できる若手・中堅の医師を積極的に獲得しようとしている施設が増えています。内定の可能性を高めるためにも、転職を検討している場合は先延ばしにしない方が良いでしょう。

北日本で求められている医師とは?

僻地など医師不足の地域では、ジェネラルに診療できる医師が求められています。特に北海道では、総合診療を標榜している医療機関が多くあります。
また、在宅診療の需要が大きいエリアでもありますが、全国と比較すると普及がやや遅れています。在宅医療に関心のある医師にとっては、活躍の余地が大きいでしょう。
このように、地域と密接に関わることの多いエリアであるため、患者に寄り添った診療ができるかどうかといった、人柄も評価されるでしょう。

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