厚生労働省の資料によると、医師の3人に1人が産業医資格を持っているとされています。エムスリーキャリアでは、医師がその働き方に魅力を感じるポイントについて、アンケート調査を行いました。
産業医勤務への関心は低い結果に
アンケート調査は2023年10月28日~11月3日にかけて、医師会員2894人(産業医資格の有無を問わず)を対象に実施。その結果、全体の43%が、「産業医としての勤務に関心がある」と回答しました。また、回答者のうち、実際に産業医活動をしているのは15%でした。
産業医キャリアが魅力的な理由―労働衛生・予防医学に関心
続けて、「産業医求人に興味を持った理由」を聞いたところ、常勤・嘱託産業医として勤務中か否かにかかわらず、「予防医学、労働衛生に興味があったから」という回答が得られています。医療機関で職業性疾患の対応をしたり、職場のストレスなどで体調を崩す患者に携わったりする中で、働き盛りの労働者に介入できる産業医の業務内容に興味を持つ医師は多いようです。
医師が「産業医という働き方」に関心を持つ理由
「常勤/嘱託としての勤務に関心を持っている」と答えた医師にその理由を聞いたところ、下記のような内容が得られました。なかでも、QOLの面で魅力を感じているという回答が目立ちました。セカンドキャリアの選択肢、長期的に安定した副収入を得たい場合などに勤務を検討するケースが多いようです。
- QOLが高いと聞くから
- 労働者の健康管理に関与したい
- いろんな職種の人と話が出来る
- セカンドキャリアのため
- 労働衛生に関わりたい
- いろいろな分野を経験したい
- 今の仕事をしながらアルバイトしたいから
- 臨床だけでは経験できない体験・知識が得られると思うから
- 本業の負担にならない範囲での引き合いがあれば検討したい
- そろそろ臨床に疲れてきたから
- 60歳を迎えて少しゆっくり働きたいため
医師が「産業医という働き方」に関心がない理由
「産業医としての勤務に関心がない」と答えた医師からは、その理由として、下記のような内容が挙げられました。
- 本業で手一杯
- 臨床の方が好きだから
- メリットが少ない
- 報酬が少ない。他の勤務で出務した方が高い
- クリニックの売上アップに繋がると思えないから
「忙しい」「余裕がない」など本業との両立させるのが難しい回答が目立ちました。また、報酬面でメリットを感じない意見も多く寄せられています。その一方で、「活動の幅を広げたいが嘱託産業医の求人がなかなか見つからない」という声も多く寄せられました。
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