1. m3.comトップ
  2. キャリアデザインラボ
  3. 転職ガイド
  4. Iターン・Uターン
  5. 地方勤務希望の医師が、面接で確認しておきたい3つのこと
Iターン・Uターン

地方勤務希望の医師が、面接で確認しておきたい3つのこと

2016年8月31日

転職活動をしていると求人票の情報が全てだと思い込んでしまいがち。しかし、地域特性や生活環境が異なるような土地への転居を伴う転職の場合、求人票には記載されていない“思わぬこと”が入職後の決定的なミスマッチにつながることがあります。今回は、都市部の医師が地方勤務を希望する場合、面接や病院見学で確認しておきたいポイントを解説します。

顔合わせに近い医師の面接 質問は積極的に

【男】足元面接の目的は、医師と医療機関が顔を突き合わせて「相互理解を深めること」。
医療機関が医師に質問を投げかけ、採用可否を判断する―というのはもちろんですが、医師にとっても、その医療機関が自分にマッチするかどうか見極める、大切な機会でもあります。印象を損ねない配慮は必要ですが、医療機関から質問を受けるだけではなく、気になる点を積極的に確認するようにしましょう。面接に合わせて病院見学をセッティングしてもらえる場合も多いので、気になる設備はあらかじめ伝えておくと実物を見せてもらえる可能性もあります。

なお、地方の医療機関では、面接後に食事会が設定されていたり、居酒屋を何軒もはしごしたりというケースが多々あります。宿泊を伴う面接の翌日には、事務方の先導のもと、観光案内が組まれているケースも。地域のことをよく知ることができるまたとない機会なので、時間に余裕があれば参加することをおすすめします。

面接時に確認しておきたいポイント1:多い症例、患者層

PhotoAC_カルテ全国には、慢性疾患を持つ高齢患者が多い地方もあれば、小児科を標榜していなくても小児疾患を診るのが当たり前になっているような地方もあります。こうした地域事情は、その地域では「当たり前のこと」になってしまっているために採用担当者が求人票に盛り込んでいないケースもあるので、どんな症例・患者層が多いかは、確認しておくのが得策でしょう。

なお、一般的に言えば都市部と比べると地方の方が、幅広い症例・患者層を診なければならない傾向にあります。とりわけリハビリテーション病院、療養型病院のような慢性期病院ほど、その傾向が強く、外科医が内科の入院患者を持ったり、整形外科を診たりする事例は珍しくありません。マイナー科目でも全身管理がついてまわるので、プライマリケアのスキルが強く求められる環境だと言えそうです。

面接時に確認しておきたいポイント2:勤務条件

病床ベッド勤務医が少ない地域では当然、勤務条件も厳しい傾向。「医師が足りないため、負荷の大きい状況下での急な夜間対応もやむなし」といった状況があるのも事実です。
ニーズが高いとはいえ、医師も身体が資本。期待に応えようとし過ぎて身体を壊してしまっては、元も子もありません。医療機関の人員体制はもちろん、休暇中の代替人員や、いざという時にコンサルトできる協力病院の有無、法人や地域住民が医師の勤務環境に理解を持っているか―などによって肉体的・心理的負荷は大きく異なるため、バックアップ体制は事前に確認しておきましょう。

ちなみに、タフな勤務条件の場合、面接の時点で、自身の負担を軽減させる対応を求めるのも1つ。「将来的に非常勤医師を雇用し、週の数日は必ず休めるようにする」「夜間は複数名体制にする」「休日の代診体制を整える」など、具体的に提案をしてみても良いでしょう。もし入職後の不履行が懸念されるのであれば、契約書に法人側が勤務環境の改善を図る旨、盛り込んでおく方法もあります。

面接時に確認しておきたいポイント3:福利厚生

a3f688cdbdfff4208a58c17b1ff8f586_s医師の間でも見逃してしまいがちなのが、福利厚生です。
転居を伴う転職を行う場合、家族を残して単身赴任する医師も多く存在します。地方には、こうした医師をターゲットに労働環境を整え、休日は自宅でゆっくり過ごせるよう、福利厚生の一環として、帰省費用を負担する医療機関も。家族が単身赴任先を訪ねる場合に、家族分の交通費を負担してくれるケースもあります。

このほか、法人によっても微妙に異なるのが、学会出張の取り扱い。旅費や休暇の取り扱いはもちろん、代診体制についても含めて確認しておくと安心です。

懸念事項の洗い出しを

W800Q85_5c3a9e8966fab29bd3bcc11c674b95ea_mどの医療機関にも、大なり小なりその土地特有の患者層、古くから根付いている風潮などがあります。人の移動が少ない地方ほどその傾向が強く、都市部の “当たり前”が通用しないことも考えられます。入職後に「こんなはずではなかった」とならないよう、想定される懸念事項を洗い出し、事前に疑問を解消できるように努めましょう。

 

地域医療にご興味のある先生へ

各地で奮闘する先生お一人おひとりのご活躍によって、日本の医療は支えられています。
この記事をお読みになって、もしも「地方での勤務に興味はあるが、なかなか踏み出せない」とお考えでしたら、一度コンサルタントにご相談いただけないでしょうか。

先生のご懸念やご事情を伺った上で、地方の実情や待遇、サポート体制など正直にお伝えし、前向きな気持ちで次のキャリアに踏み出せるように最大限のご支援をしたいと考えております

先生の決断が、地域を、医療を変えるかもしれません。新天地でのご勤務・転職をお考えでしたら、ぜひお問い合わせください。

この記事の関連キーワード

  1. 転職ガイド
  2. Iターン・Uターン

この記事の関連記事

  • 転職の事前準備

    【2025年最新】厳選5社を徹底比較!自分に合った紹介会社の選び方

    自分に合った紹介会社の選び方とは?提供されているサービスや求人、特徴などそれぞれの紹介会社ごとにわかりやすく比較表にしてまとめました。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    〈第1回〉ストレスチェック制度導入から10年。人事と産業医はどのようにして「マンネリ化」を乗り越えるか

    〈連載第1回〉制度開始から10年が経つストレスチェック。人事と産業医はどのようにして形骸化を防ぎ有効活用すべきでしょうか。精神科クリニック院長であり産業医として職場のメンタルヘルスに向き合い続ける吉野聡先生が解説します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    はじめての産業医「衛生委員会」とは?医師としてのかかわり方

    本記事では、衛生委員会の基礎知識をはじめ、産業医としてのかかわり方のポイントを紹介します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    はじめての産業医「職場巡視」とは?

    職場巡視は、産業医の重要な業務の一つであり、労働者の健康と安全を守るために欠かせない活動です。 本記事では、職場巡視の法的義務と巡視で確認すべきポイントを紹介します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    はじめての産業医「労働衛生の3管理」とは

    本記事では「労働衛生の3管理」の概要について紹介しています。従業員の安全と健康を守るため、産業医が取り組むべき基本的な柱となりますので、この機会に再確認しておきましょう。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    産業医が身につけたいビジネスマナー

    産業医として企業で働く際に知っておきたいビジネスマナーについて紹介します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    産業医面談で従業員が泣いてしまったら?

    産業医面談の際、従業員が泣き出してしまうような場合の対応例を紹介しています。

  • Iターン・Uターン

    Iターン、単身赴任を選んだ女性医師の願い

    I・Uターンや単身赴任の転職というと、ハードルが高いように感じるかもしれません。しかし、医師としての方向性や、ライフスタイルと照らし合わせ、あえてその選択をする医師もいます。

  • Iターン・Uターン

    医師の転職では珍しくない?Iターンとは

    Iターンとは、住みなれた土地を離れて暮らすスタイルのこと。移動経路が「I」の形に似ていることからIターンと呼ばれ、Iターンに伴って転職をする場合Iターン転職と言われる。

  • Iターン・Uターン

    地方で働くメリット・デメリットとは

    都市部から地方へと転職する場合、医師の労働環境はもちろん、ライフスタイルまでもが大きく変わりえます。診療体制・待遇・生活環境の3点を中心に、地方勤務のメリット・デメリットについて解説します。

  • 人気記事ランキング

    この記事を見た方におすすめの求人

    常勤求人をもっと見る