医師の中には、都市部を離れ、地方での勤務を選ぶ方もいます。彼らはどんな思いで地方へ渡り、どのようにキャリアを切り拓いていくのでしょうか。
セカンドキャリアに地方を選ぶ動き
医師人材紹介会社のコンサルタントによると、地方勤務を希望する医師のボリュームゾーンは50代~60代。年齢・体力的に一区切りをむかえ、子どもが独り立ちしたなど家庭環境面でも落ち着き始めた時期に、「自分の経験を存分に活かせる場所で働きたい」「自然が多い環境で暮らしたい」などの理由で、セカンドキャリアとして地方勤務を選ぶ医師は一定数いるそうです。
医療機関の機能分化が進んでいる都市部に比べ、医療機関が点在しているような地方では、医師一人ひとりが幅広い領域の診療をカバーして、医療体制を支えています。そうした地方の医療機関から医師に対しては、診療の守備範囲の広さに加え、コメディカルを含めたスタッフへの教育などマネジメント業務にも携わってほしいというニーズが強く、こうした「セカンドキャリア組」のベテラン医師の需要は高い傾向にあります。
プライマリケアを学ぶために地方へ
幅広く患者を診なければならない地方の環境は、プライマリケアを学ぶのにも最適という声も。「将来開業を控えているのでCommon Diseaseへの対応力を磨きたい」といった理由で、地方の医療機関での勤務を検討する医師もいます。
もちろん医療機関によって症例の幅・数や、指導してくれる医師の有無、学会参加に対する補助費用の取り扱いなどにはバラツキがあるため、実際にスキルアップにつながるような環境が整っているかどうかは入職前の確認が必要ですが、医師としてスキルアップする時期に地方を経験しておくことで、「将来どんな医療機関でキャリアを積んでいくべきか考える材料になる」「地域密着型の医療体制をより深く把握できるようになる」といったメリットも。転職とまではいかずとも、アルバイトなどで常勤先とは異なる環境での経験を通じて、得られることは多いようです。
教育環境に惹かれて地方に移るケースも
「子どもには、自然の多い環境でのびのびと成長してほしい」という教育方針であれば、地方も選択肢の一つ。子育てのために配偶者の地元近くに転居したことがきっかけで、地域医療に携わるようになったというケースもあります。
医学部受験などを考えると、就学期の学習環境への配慮なども必要になりますが、都市部よりも年収の相場が高い医療機関も多く、生活費も掛からないため、「想像していた以上に充実した生活を送れた」という実感を持つ医師も。移住者向けの手当てや、公的な子育て支援サービスが充実している自治体も徐々に増えてきているようです。
希望にあった医療機関をどう探しだす?
以上のように、地方勤務を希望する医師の思いはさまざまだと言えます。
ただ、縁もゆかりもない土地であるほど、希望にあった求人を探しだすのは難しく、「どのように求人を探したらよいか分からない」「地方へ移ることで本当に自分の希望がかなえられるのか分からない」という声が多いのも事実。地方勤務に興味はあったとしても、実際に行動に移すまでには数々の障害があるのが実情です。次回は、全国あまたある求人の中から、自分にあった医療機関をどのようにしたら探し出せるか、解説します。
地域医療にご興味のある先生へ
各地で奮闘する先生お一人おひとりのご活躍によって、日本の医療は支えられています。
この記事をお読みになって、もしも「地方での勤務に興味はあるが、なかなか踏み出せない」とお考えでしたら、一度コンサルタントにご相談いただけないでしょうか。
先生のご懸念やご事情を伺った上で、地方の実情や待遇、サポート体制など正直にお伝えし、前向きな気持ちで次のキャリアに踏み出せるように最大限のご支援をしたいと考えております
先生の決断が、地域を、医療を変えるかもしれません。新天地でのご勤務・転職をお考えでしたら、ぜひお問い合わせください。