「有期雇用」「無期雇用」「定年制」の違いは？―ドクター転職3分相談室

Q.　雇用条件にある「有期雇用契約」「無期雇用契約」「定年制」、それぞれの違いについて教えてください。

回答者：エムスリーキャリア・医師転職支援コンサルタント

A.　まずは、「有期雇用契約」、「無期雇用契約」について説明していきます。

有期雇用契約

雇用の期限が定められている雇用契約です。この場合、医療機関が契約を更新・延長するか選択できます。医師を雇用するにあたり、ミスマッチのリスクを軽減するために敢えて有期雇用契約を選ぶ医療機関もございます。

医師の場合、有期雇用契約の期間は1年であるケースが多いです。稀に、2～3年の雇用契約を結ぶ場合もあります。雇用契約期限について自動更新する医療機関もあれば、期限が切れる数カ月前に話し合いの場を設けて、医師の意向を確認する場合もあります。有期雇用契約が自動更新なのか否か、入職前にしっかり確認した方が良いです。また、期限前の退職は、違約金などのトラブルを招く恐れがありますのでご注意ください。

無期雇用契約

雇用の期限が定められていない雇用契約です。有期雇用契約と異なり、契約更新がないため、長期間働くことを見据えた契約となります。医療機関は医師が定年に至るまで、よほどの理由がない限り、雇用契約を一方的に解除することができません。

有期雇用契約よりは入職時の年収水準が低くなりやすいものの、無期雇用契約の場合は、医療機関の収益や医師の貢献度合いによって基本給が上がっていくことがほとんどです。そのため、たとえ入職時に年収が低かったとしても、将来的に年収が高くなる可能性が期待できます。

定年制

雇用契約を結んだ労働者が一定の年齢に達した際、自動的に雇用関係が終了する制度です。

医師は、勤務先が国公立か私立かによって就業規則が大きく異なります。国公立は、公務員の規定に準じるため、基本的に定年退職の年齢は65歳となります。民間病院の場合、就業規則によって年齢が異なりますが、そもそも定年制を設けていない医療機関もあります。

先生方のお話を伺うと、定年後も同じ医療機関で働く場合、それまでの年収に比べて2～3割減になるケースが多い印象があります。定年後の年収がどのくらいになるかは、医療機関が先生をどのように評価しているかに左右されるため、明言を避ける医療機関もあるようです。この場合、嘱託医もしくは非常勤雇用の契約になる医療機関もありますが、民間病院ですと定年を超えても常勤として扱っている所も多い印象です。

定年後も勤続したいとお考えでしたら、定年の数年前からご勤務先と話し合いの場を設けて、年収や業務範囲、勤務条件などについてお互いの希望をすり合わせることをお勧めします。そうすれば、定年延長などの対応を進めていただけることもありますし、仮に話がまとまらなかったときには早めに転職先や非常勤先を探すこともできます。定年後の転職になりますと、どうしても転職先の選択肢が狭まってしまう傾向にあるため、注意が必要になります。

※記載内容はエムスリーキャリアの転職支援サービスの場合

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