1. m3.comトップ
  2. キャリアデザインラボ
  3. 転職ガイド
  4. 内定・退職・入職
  5. 不意な入職延期、医療機関はいつまで待ってくれる?―医師の転職カルテvol.10
内定・退職・入職

不意な入職延期、医療機関はいつまで待ってくれる?―医師の転職カルテvol.10

2018年11月20日

転職活動で内定を得たとしても、何らかの事情で入職が遅くなるケースがあります。そうした際、医療機関はいつまで待ってくれるのでしょうか? 内定から入職までの一般的な期間と、入職を延期せざるを得なかった事例について、医師人材紹介会社のコンサルタントが語ります。

都市部より、地方の方が柔軟に対応する

医師人材紹介会社のコンサルタントによると、内定から入職までの一般的な期間には地域差があるそうです。
「通常、都市部は半年~1年くらいです。4月入職を希望する場合、早い人で前年5~6月、遅い人でも前年12月~その年の1月には内定を得ています。一方、地方はもう少しゆったりしていて、内定から入職まで1年~1年半くらいのことが一般的です。地方は医師不足の問題がありますし、医局の力も強い。医局を離れる退局交渉に時間がかかることを、医療機関側も理解しています」

予定より入職が遅くなる場合の対応にも、地域差が見られます。
「都市部は医療機関が医師を選ぶようになりつつあり、長期にわたって入職が遅れる場合は、通常、白紙撤回になります。なかには、しばらく待ってくれる医療機関もありますが、1年以上は難しいと言えるでしょう。その医師を待っている間にも、ほかに入職を希望する医師が現れるかもしれないからです。
それに対し、地方の医療機関は1~2年ほど待ってもらえることがあります。医師不足のため、別の医師を採用することが難しいからです。スキルや経験の豊富な医師は、ある程度、長期間でも待ってもらえる可能性があります」

退局交渉がこじれる理由と、スムーズな交渉のコツ

入職が遅れる背景には、どんな理由があるのでしょうか。医局に所属している医師の場合は、やはり医局からの引き留めが大きな要因になります。
「教授や医局長と退局交渉をしようにも、なかなかアポイントメントがとれないことが往々にしてあります。特に、大学から遠い病院に出向している医師は、勤務を休んで大学に行かねばならず、難航するようです。アポが取れたとしても、すぐに退局の許可が得られるとは限りません。『君の気持ちはわかった。でも、もう少し頑張ってくれないか』と言われたり、条件のいい病院への出向を打診されたりすることがよくあります」

医局員が充足している医局であれば、比較的すぐに退局に応じてくれますが、それは珍しいケースです。退局交渉はできるだけ早めに始めたほうがよいと言えます。コンサルタントは、退局交渉をうまく進めるための心がけとして、以下3つを挙げます。

  • 退局の意思をはっきりと伝える
  • 一度、表明した辞意は撤回しない
  • ほかの医局員に退局の話をしない

「医局によっては『今の患者はどうするのか?』『医局を潰す気か』など、医師の責任感に働きかける言葉で遺留し、交渉が2~3回に及ぶことがあります。その場の雰囲気に押されず、はっきりと辞意を伝えましょう。『医局の引き留めは誰のためなのか』『このまま残った場合、実現したい人生を送れるのか』を念頭に置いて交渉にのぞむといいかもしれません。また、教授の許可が得られるまでは、ほかの医局員に退局の話をしないほうが賢明です。退局したいことが噂になると交渉しにくくなりますし、ほかの医師との関係性がぎくしゃくしがちです。原則、内密に進めていくことをお勧めします」

入職時期を延期した医師の事例

医局に所属していない医師の場合は、通常、勤務先病院からの引き留めはそれほど強くありません。上司の許可を得て、患者の引き継ぎなどが終われば、比較的スムーズに退職できます。転職先への入職が遅れるとしたら、医師自身や家庭の事情の場合が多いようです。
以下は、実際に入職を延期した医師の事例です。

Case1 40代女性の精神科医、自身の体調不良により入職延期
地方の総合病院に勤務していたが、過重労働で疲弊したため転職することに。同じ地域にある別の病院から内定を得た。しかし、その直後に体調を壊し、入職が大幅に遅れることになった。医療機関側は「採用計画が崩れる」と難色を示したが、医師人材紹介会社のコンサルタントが間に入り、「スキルが高く、採用するメリットのある医師です」と丁寧に説明し、理解を得た。また、コンサルタントは休養中の医師とも定期的に連絡をとり、「病院は待ってくれていますよ」と励ました。結果的に内定から2年後に入職し、現在は大いに活躍している。
Case2 30代男性の消化器内科医、家庭の事情により入職延期
将来は開業医になる可能性があるため、経営の勉強ができる医療機関に転職を決意。ところが、内定後に妻と子どもが体調不良となった。家庭のフォローを優先させるために、転職は延期せざるを得ない。医師人材紹介会社のコンサルタントが医療機関側に事情を説明し、理解を得た。内定から入職まで2年かかった。

入職の延期はセンシティブな問題で、どのように事情を説明するかによって、医療機関側の対応が変わる可能性があります。延期せざるを得なくなった場合は、遠慮なくコンサルタントに相談しましょう。

今後のキャリア形成に向けて情報収集したい先生へ

医師の転職支援サービスを提供しているエムスリーキャリアでは、直近すぐの転職をお考えの先生はもちろん、「数年後のキャリアチェンジを視野に入れて情報収集をしたい」という先生からのご相談も承っています。

以下のような疑問に対し、キャリア形成の一助となる情報をお伝えします。

「どのような医師が評価されやすいか知りたい」
「数年後の年齢で、どのような選択肢があるかを知りたい」
「数年後に転居する予定で、転居先にどのような求人があるか知りたい」

当然ながら、当社サービスは転職を強制するものではありません。どうぞお気軽にご相談いただけますと幸いです。

エムスリーキャリアは全国10,000以上の医療機関と提携して、多数の求人をお預かりしているほか、コンサルタントの条件交渉によって求人を作り出すことが可能です。

この記事の関連記事

  • 転職の事前準備

    【2024年最新】厳選4社を徹底比較!自分に合った紹介会社の選び方

    自分に合った紹介会社の選び方とは?提供されているサービスや求人、特徴などそれぞれの紹介会社ごとにわかりやすく比較表にしてまとめました。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    産業医が知っておきたい「衛生委員会」とは

    企業が定期的に実施する「衛生委員会」の概要と、産業医に求められている活動について紹介します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    産業医が知っておきたい「健康経営」の実践内容とメリット

    企業において注目度の高まる「健康経営」の実践内容とメリットを紹介します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    非常勤産業医(嘱託産業医)の働き方と給与相場

    非常勤(嘱託)産業医の働き方と給与相場について解説します。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    〈2023年版〉産業医を取り巻く業界動向

    産業医を取り巻く業界全体の動向は?産業医になる方法、業務内容などについてまとめました。

  • 企業(産業医・MD・社医)

    産業医キャリアの魅力とは? 将来の選択肢として考える医師も

    医師が感じる産業医キャリアの魅力とは?アンケート調査の結果を公開します。

  • 転職データ集

    来年度の採用を目指し、医師の転職市場は“追い風”期に突入か

    編集部では2021年7~9月にかけて、m3.comCAREERに寄せられたデータをもとに都道府県と各科の求人倍率と想定下限年収を集計。直近3カ月の市場動向と、コンサルタントによる今後の見通しをお伝えします。

  • 転職の事前準備

    【動画】転職時に気を付けたい「後悔しないためのポイント」

    転職後に後悔しないために、どんな点に留意すべきか?そのコツを、エムスリーキャリアの現役コンサルタントが解説いたします。

  • 内定・退職・入職

    「採用内定を辞退したい…」どうする?―コンサルタントとの初面談レポ3

    医師専門のキャリアコンサルタントと、転職を希望する医師の初回面談に密着したシリーズの3回目は、面談“後”に着目。エムスリーキャリアのキャリアコンサルタント・野村紗欧里さんにインタビューし、医療機関との面接やその後でどのようなサポートが行われているのか伺いました。

  • 内定・退職・入職

    退職理由の伝え方3つのポイント~医師の転職、最大の難所の乗り越え方

    医師の転職において最も難しい局面とされているのが、現勤務先との退職交渉です。今回は、後腐れなく退職を進めるためのポイントを解説します。

  • 人気記事ランキング

    この記事を見た方におすすめの求人

    常勤求人をもっと見る