新型コロナウイルス感染症の流行をうけて、医師の皆さまの働き方にも大きな変化が生じているのではないでしょうか。今後のキャリアについて、考える医師の皆さまも少なくないことでしょう。こうした変化の中で、ご自身にとって望ましいキャリアを叶えながら、市場価値を高め、医療機関から求められる医師になるためにはどうしたらいいのでしょうか?第3回では、いま医療現場で求められている医師像と、普段なかなか表には出ない、キャリアコンサルタントの裏話をお伝えします。
※この記事は2021年3月に放送されたWEB講演会をテキスト化したものです。
※Vol. 2はこちら
いま医療機関から求められている医師像とは?
——Vol. 1では、新専門医制度スタートや、新型コロナウイルス感染症流行(以下コロナ)を受けての医療動向について、Vol. 2では医師転職成功の鍵となる“ビジョン”の掘り下げ方について「Will(やりたいこと) Can(できること) Must(やらなくてはならないこと)」の観点も交えて解説いただきました。今回は、最近の医療動向を踏まえてのMustの流れ、医療機関から求められている医師像について教えてください。
どの職場でも言えることですが、とくに大都市圏では今後ますます患者さんが病院や医師を選ぶ時代が来ると予想されます。技術的な面だけでなく、患者さんの気持ちに寄り添える共感力や、コミュニケーションスキルは重要視されるようになるでしょう。
さらに細かく見ていきますと、医療機関を取り巻く環境の大きな流れとして医療政策の一環「地域医療構想」による病床の機能分化・連携が進んでいきます。これに伴い、たとえば高度急性期・急性期領域では専門領域の経験が豊富な医師が好待遇となる可能性が高まります。
また回復期では、在宅復帰が念頭にあるため、ご家族やケアマネージャー、ソーシャルワーカーなどの他職種と、うまく連携を取れる調整力・コミュニケーションスキルの高い方は重宝されるかと思われます。
慢性期では、患者さんが複数の疾患を抱えていることも多いため、専門にこだわるよりも、専門外の疾患もトータルで管理できる医師、またそのようなマインドを持っている医師は歓迎されるケースが期待されます。
——やはり医療機関の特性によって求められることが変わってくるんですね。
はい。現在の職場では、自分のやりたいことと求められることが合致せずに苦しんでいる方も、職場を変えただけで生き生きと働ける、ということが十分にあり得ます。
また、志のある先生は、どの医療機関でも歓迎されています。医療機関に対し「こんな先生がいらっしゃるのですが…」と紹介すると、求人募集をしていないにも関わらず、採用が決まることがあります。医療機関にとっては「その先生に来てもらうことで、患者さんを呼べる」ことが期待できれば、ぜひ採用したいですからね。
キャリアコンサルタントのここだけの話…こんな医師は敬遠される!
——このほか、転職を考えている医師が注意すべきポイントなどはありますか?
これはここだけの話なのですが……過去に何度か転職されている方ですと、これまでの勤務先の病院を拝見しただけで、その方がどんな条件を重視してきたのか、どんなビジョンを持っている方なのかが大体分かってしまうんですよ。
——そうなんですか?
やはり業界的に「このグループは給与面での待遇が充実している」ですとか「福利厚生面が手厚い」というのはありますからね。だから、見る人が見れば、その方の趣向というのはすぐに分かります。そうすると、中には医療機関の採用担当者に「この方を雇って大丈夫かな?」と不安を持たれてしまうこともあるのです。
——どこの病院も人手不足で、医師免許さえあれば就職に困ることはない、と思われがちですが…
大手の系列病院や、急性期病院、都市部の病院では「誰でもいいから来て欲しい」というフェーズではありません。たとえば短期間での転職を繰り返していると、都心部での転職はどんどん厳しく、選択肢はせばまっていくでしょう。
求人情報には載っていない、転職先の「見極めポイント」とは
——このほか注意すべきポイントはありますか?
大きく2点あります。
1つめは、今お伝えしたこととも関連しますが「転職しない方がいいこともある」ということです。先生のご希望や環境など、いろいろお話を伺ってみると「転職をしないのがベスト」ということもよくあります。条件に踊らされての、焦った転職はおすすめしません。
2つめは、面接はもちろん、見学等で職場をしっかり見極めるということです。まず面接では、病院長や事務長だけでなく、可能であれば診療科のトップ、自身の直属の上司になる方とお話しするのが望ましいですね。病院長や事務長は、医師を採用したいので、比較的「いい話」をする傾向があります。けれど、診療科のトップからは、診療科の現状を率直にお話しただける傾向があります。一緒に働くのはその診療科の先生ですからね。
条件面だけでなく、労働環境や業務内容などのミスマッチ「聞いていなかった!」「こんなはずじゃなかった!」を防ぐためにも、現場の先生方との面談の機会を設けられるといいですね。
——そういった体験勤務の希望はコンサルタントに伝えればよいのでしょうか?
はい、ご相談ください。前回もお伝えしましたが「転職しようかどうか迷っている」という段階でも気軽にご相談いただければと思います。必ずしも「転職したほうがいい」という返答にはなりませんし、キャリアを考える上で、参考になる情報をお伝えできると思います。(Vol. 4に続く)
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