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転職の事前準備

何が違う?転職で成功する医師、失敗する医師―医師の市場価値を高める転職/バイト探しVol. 2

2021年5月19日

新型コロナウイルス感染症の流行をうけて、医師の皆さまの働き方にも大きな変化が生じているのではないでしょうか。今後のキャリアについて、考える医師の皆さまも少なくないことでしょう。こうした変化の中で、ご自身にとって望ましいキャリアを叶えながら、市場価値を高め、医療機関から求められる医師になるためにはどうしたらいいのでしょうか?第2回では、医師が転職を考える前に明確にすべき「ビジョン」を掘り下げます。
※この記事は2021年3月に放送されたWEB講演会をテキスト化したものです。

※Vol. 1はこちら

【教えてくれた人】人見 敏広(ひとみ としひろ)氏
エムスリーキャリア株式会社医師キャリア事業部 常勤紹介グループ リーダー
キャリアコンサルタント※
※厚生労働大臣が認定する講習の受講と3年経験の実務経験を満たした上で、試験に合格することで登録される国家資格。キャリアコンサルティング(労働者の職業選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導)を行う専門家。

医師のより良いキャリアに重要な“ビジョン”とは?

——Vol. 1では、新専門医制度のスタートや新型コロナウイルス感染症流行(以下コロナ)を受けた、医療業界の動向や転職のトレンド、新専門医制度や働き方改革を受けて、若い世代の転職希望が増えているとお話を伺いました。今回は医師が転職を考える際に、自身の価値を高める方法について教えてください。

ここで重要なのが、自身のキャリアにしっかりとした“ビジョン”を持つことです。たとえば「条件さえ合えば何でもいいです」とおっしゃる先生と、「自分はこれまでこんな経験をしてきた。こんな仕事が好きで、将来はこうなりたい」とおっしゃる先生がいたとしたら、どちらを採用したいでしょうか?

——後者の方が、やる気があり、一緒に働きたい、というイメージを持たれそうですね。

そうですよね。しかし、実際には前者のように「年収がいくら以上で、家から近くて、当直がなくて…条件が希望通りならそれでいいです」という具合に条件から入る先生が圧倒的に多いのです。

条件から入ることが悪いわけではないのですが、条件だけで決めてしまうと、「思っていたのと違う…」と転職を繰り返してしまう傾向があります。

「自分はこんなことがしたい、こうなりたい」という、しっかりとしたビジョンを持って、その思いを語っていただければ、私たちコンサルタントも、その思いに合致する医療機関を全力でお探ししますし、先生の魅力を伝えることでより良い条件を引き出しやすくなります。

医療機関は、強い思いを持った医師のためには、ポストを新設したり、必要な医療機器を導入したりと動いてくれることが多いんです。新たな患者さんを呼べる、新たな収入の柱になる医師のためには、きちんと環境を整えてくれます。ビジョンをしっかりと持って転職された方のほうが、職場にも定着しやすく、結果的に望んだ条件を勝ち取っているという印象があります。

——なんとなく転職したいな…といった気持ちでは難しいのでしょうか。

いきなりビジョンと言われても、お一人で考えるのは難しいですよね。我々としてはむしろ、「何となく転職を考えている」「今後のキャリア、どうしようかな」とお悩みの段階の方こそ、ぜひ私たちのようなキャリアコンサルタントをご活用いただきたいと思います。

——転職ありきでなくても相談できるのですか?

もちろんです。お話を伺っていると、必ずしも転職がプラスにならないケースもあります。

そういった場合には「転職しないほうがいいかもしれません。現在の職場でこうしたアプローチをしてみたらいかがですか?」というようなアドバイスをさせていただくこともあります。

他にどのような働き方があるのか、現状とどう変わるのか、転職した場合の選択肢を知ることは、キャリアについて考える際のヒントになると思います。

また、キャリアについて今後どうしたらいいのか、という悩みは、なかなか身近な人には相談しにくいですよね。とくに「医局を辞めたい」などデリケートな話は、噂になっても困りますし。悩みを人に話して、それだけですっきりする、なんてこともよくありますよ。

自分がいまできること、将来やりたいことは何?

——相談しているうちに、自分のビジョンが明確になる、ということもあるかもしれませんね。

そうですね、そこを掘り下げていくのも、キャリアコンサルタントの仕事のひとつです。

具体的には、専門用語でいうところの「経験代謝」や「リフレクション」と呼ばれる作業を通じて、ご自身の経験や希望、ご自分の軸を明確にしていく作業を行います。自己分析、というと分かりやすいかもしれないですね。

——自己分析というと、一般的には、会社員の就職活動などによく用いられますね。

はい、医師の場合、一般的な就職活動を経ないことが多いので、一度も経験がない、という方もいらっしゃいます。折角の機会ですので、今日は皆さんにこの自己分析を体験していただきたいと思います。

まず、紙と鉛筆、パソコンやスマホなど、何でも構いませんので、何かメモができる、書き出せるものをご用意ください。実際には対面で行う作業ですので、あくまでも超簡易版ということでお考えいただければと思いますが、まずはこの2点を書き出してみましょう。

①自分がいまできること
これまでどんな仕事をされてきて、どんな経験を積まれてきたのか、得意な手技はなにか、どんな診療領域に自信を持っていらっしゃるか、など考えてみてください。

②これからやりたいこと、やりたい仕事
自分がいままでやって来た仕事の中で、今後もやっていきたいこと、より深めていきたいこと、また新たにチャレンジしたいことはなんでしょうか?

普段はお忙しくてなかなかこんな機会もないと思います。これまでの自分の仕事について、少し振り返ってみるだけでも、自分の中の意外なホンネに気づくこともあるものです。

医師のよりよいキャリアのために意識したい「Will Can Must」とは

——書き出してみると、思っている以上にできることが多かったり、逆に自分に不足している部分に気がついたりするかもしれませんね。

はい。楽しい仕事だとか…特に将来どうなりたいのか、というのはいきなり聞かれてもなかなか答えられないので、日頃から考えておくことが大切です。

転職と言うと、どうしても最初に年収だとか、場所だとか、条件が先に来てビジョンと言うのは後回しになりがちです。ただ、こうしたことを普段からしっかりお考えいただいて、少しずつ自分のビジョンを明確にしていただくことの大切さだけでも実感いただけたら嬉しいです。

じつはいま書き出していただいた①と②は、キャリアビジョンの整理で使用される「Will Can Must」と呼ばれるものの一環です。

①の「できること」がCan、②の「将来やりたいこと」がWill。そして、もうひとつ重要な軸がMust「やらなければならないこと」です。

Mustというのはいわば、職場から求められていることですが、このMustに向かって研鑽を積むのか、または自分のWillやCanと、Mustが重なっている職場を探すのか、方向性を考える材料になります。

自身の経験と医療機関のニーズにギャップがある、つまりCanとMustが不一致であったり、医療機関のニーズをくみ取らずに自身のやりたいことだけを主張する、つまりWillとMustが一致しなかったりする場合は、良い転職にはなりにくいものです。

反対に、これまでの経験やスキルが医療機関のニーズと近い場合、つまりCanとMustが合致している場合は、転職でも好条件を勝ち取りやすいです。さらに、WillとMustが合致していると、やりがいを持って勤務できるでしょう。(Vol.3に続く)

【提供:m3.com Doctors LIFESTYLE】

転職をお考えの先生へ

もしも先生が転職をお考えでしたら、エムスリーキャリアにお任せください。
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転職活動はさまざまな事務作業が伴い、情報収集や、面接等のスケジュール調整、条件交渉などを個人で担うと負担が重くなります。これらはすべて、エムスリーキャリアのコンサルタントにお任せいただけます。

また、条件交渉では、先生から直接は言いにくいことをコンサルタントが代わりに伝えるため、精神的な負担も少なく済むかと思います。

転職をご検討中でしたら、ぜひご連絡ください。

エムスリーキャリアは全国10,000以上の医療機関と提携して、多数の求人をお預かりしているほか、コンサルタントの条件交渉によって求人を作り出すことが可能です。

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