「地域医療に興味は持っているが、地方でのキャリアが医師人生にどのような影響を与えるのか分からない」と不安に思う医師も多いのが実情。地域医療に興味を持ち、都市部から地方へ赴いたものの、やむを得ない事情で元々いた地域に戻らなければならないケースも往々にしてあります。今回は、そのような場合に想定されることを医師人材紹介会社(以下、紹介会社)のコンサルタントに聞いた事例を交えて解説します。
「地方に赴任したら都市部には戻れない」という不安を抱える医師も
地方勤務をためらう医師が口々に揃えるのは、「そもそも一旦地方に赴任したら、都市部には戻れないのではないか」ということ。たしかに医師が少ない地域となると欠員募集をかけてもすぐ後任が決まるとは限りませんし、病床数と医師数の釣り合いがとれず閉院を余儀なくされる病院もあるため、退職を申し出ると法人から強く引き止められるケースが多いのは実情です。
医療機関の中には、退職を踏みとどまらせるために、年収を上げる、役職を付与する、当直やオンコールの免除、外来診療のコマ数を減らすなど、条件面の見直しや改善を提案するところも。もちろん、こうした待遇見直しによって懸念が完全に解消されるのであれば問題ありませんし、都市部より地方の方が好待遇になりやすい上に生活費も掛からないため、「子どもの就学期になったら家族だけ転居し、単身赴任で地方勤務する」という選択を採る医師もいます。
ただ、「いくら引き止められても転職の意は変わらない」と言う場合は、事情を真摯に伝え、理解を促すことが必要です。紹介会社の中には、「まずは任期付きで地方の医療機関に勤務したい」という医師向けの紹介サービスを展開しているところもあるため、長きに渡って在籍できるかどうか不安な場合は、こうしたサービスを活用しても良いかもしれません。
医療ステージを変えなければ、地方勤務がハンデになることは少ない
転職先を探すことに関していえば、都市部の方が地方より医療機関が多い分、勤務先がなかなか見つからないということは少ないそうです。地域医療に従事すると、総合的に診ることを求められるため、都市部と比べて元々の専門科目以外の診察の機会が多くなる傾向はあり、「地方勤務を経て以前よりも内科が診られるようになり、現場で重宝された」と語る医師もいます。
このように地方勤務ではプライマリ・ケアも含めて幅広い対応を求められる傾向にありますが、同じ医療ステージであれば、都市部と大差ない疾患を診ているところも。高度急性期病院が少ない地方でも急性期病院で難易度の高い手術に対応していたり、特定科の権威がレベルの高い医療を提供していたりするケースもあるので、地方だからと言って一概に専門症例に携わりづらくなるという心配をしなくてよいようです。
ただ、「先端医療に携わりたい」「特定の医療機関でしか行われていないような治療に携わりたい」という場合であれば、話は別です。都市部の方が専門的な症例が集まる分、最新機器の導入がしやすい環境のため、地方勤務によるハンデが生じてしまう可能性もあります。それをカバーするために、学会に顔を出したり、非常勤の勤務先に先端医療に携われる環境を確保したりしておくとよいでしょう。
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