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「医師のバーンアウト」の傾向と対策―医師の転職カルテvol.5

2018年9月13日

第一線で働く医師も、さまざまな事情で「バーンアウト」し、やむなく休職や退職に至ることがあります。一度、キャリアが中断してしまうと、その後どう働いたらよいか悩んでしまう医師もいます。具体的な事例をもとに、医師がバーンアウトする時の傾向、バーンアウトに陥らないための対策について解説します。

複数のストレス要因が重なり、心身ともに疲弊する

医師紹介会社には、実際にバーンアウトを経験し、キャリアの再構築を図る医師からの相談が寄せられています。相談者には、次のような傾向があるそうです。
「人一倍真面目な性格で責任感が強く、業務を抱え込んでしまうタイプの医師からの相談がよくあります。年齢的には、責任と業務量が増えていく40代後半~50代前半。急性期病院に勤務し、常に激務と緊張感にさらされている医師からの相談が目立ちます。体力的にはなんとかなっても、精神面で疲れ果ててしまうと、雪崩のようにバーンアウトに至るケースが多いようです」(医師紹介会社のコンサルタント)

以下は、過重労働や家庭の事情、医師としてのやりがいなどが複合的に重なり、バーンアウトに追い込まれた事例です。

Case1 精神科医、40代、女性

医学部卒業以来、ずっと急性期病院に勤務。医局長になり、臨床だけでなく教育やマネジメントの負担も増加した。プライベートでは、夫と死別してシングルマザーに。2人の子どもの受験や日常の世話を一人でこなさなければならないが、当直やオンコールの回数は以前と変わらない。「自分だけならまだしも、子どもにも影響が及ぶ。この状況が5年も10年も続いたら……」と考えると悲観的になり、気力・体力ともに燃え尽きてしまった。
急性期病院を退職して2年ほど休職したのち、仕事復帰をしようと医師紹介会社に相談した。オンオフが明確で、これまでの経験を生かせる病院を希望し、条件に合致した精神科病院に転職。その後は健康を崩すことなく活躍している。

オンオフを明確にし、オーバーワークは早めに相談

急性期病院の多くは、医師が夜遅くまで勤務し、休日も病棟を見に行くことが常態化しています。勤務先の人員態勢が手薄でそうせざるを得なかったり、医師本人の気持ちとして患者が気になったりするものの、オンオフが曖昧な働き方は心身へ大きな負担をもたらします。
Case1の医師は、「頼まれると断れなくて、1人で抱え込んでしまったことを反省しています」と話していました。バーンアウトを防ぐためには、当直や日直の医師にうまく引き継ぎをし、オフの時間をしっかり持つこと。また、オーバーワークを誰かに相談することを、心がけたいところです。

前出のコンサルタントによると、自身のキャリアの選択肢をあらかじめ把握しておくことも大切なようです。
「真面目で責任感の強い医師は、与えられた役割をまっとうすべく全力を注ぎ、その役割が終わったときに目標を見失うことがあります。例えば、手術がやりがいの外科医は、手術をしなくなる年齢がいつか到来します。そうなった時にどんなキャリアがあるのか、早い段階から考えておくことで気持ちに余裕が生まれます」

キャリアの可能性を狭めず、好奇心を持って行動

実際にバーンアウトを防いだ事例として、次のようなケースがあります。

Case2 消化器外科医、60代、男性

60代の今も手術をしているが、外科の常勤医が2人しかおらず疲弊してきた。適切な人員配置の病院に転職し、外科医として最後まで手術を続けたい。医師紹介会社に相談すると、隣県で手術を継続できる求人が見つかり、転居を伴う転職をした。手術の頻度は減ったが、体への負担が軽くなった。定年まで手術を続けられることにやりがいを感じている。

Case3 心臓血管外科医、60代、男性

これまで第一線で手術をしてきたが、定年が近くなって体力の低下を感じ、メスを置くことを決意した。子どもが住んでいる地域に移住して、心臓血管外科医としての経験を活かしながら働きたい。医師紹介会社から提案された在宅クリニックに転職した。在宅の患者には循環器疾患が多く、心臓血管外科の経験を発揮できる。外科から内科にシフトすることに抵抗はなく、新たに領域での経験を楽しんでいる。

Case2の医師は、「手術がモチベーションで、手術から離れると燃え尽きそうだ」と自覚していました。そのため、転職先に求める条件は「定年まで手術ができること。転居もいとわない」と明確で、スムーズに転職活動が進みました。また、Case3の医師はこれまで未経験だった在宅医療への参入を躊躇しませんでした。
前出のコンサルタントは「『自分にはこれしかできない』と可能性を閉ざさず、『こんなこともできそうだ』と好奇心を持っている医師は、バーンアウトに至る前に行動できます」と語ります。今の仕事をいつまで続けられるか、働き方を変えるとしたらどこまで変化を許容できるか。一度、具体的にイメージしてみてはいかがでしょうか。

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