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事例

手当未払い、業務増加…焦って転職先を決めず、非常勤で体勢を立て直した60代医師の判断

2026年10月22日

手当の支給条件や担当業務をめぐり、勤務先との認識の食い違いが続いた60代のA先生。退職を決めたものの、焦って次の常勤先を決めれば同じ失敗を繰り返しかねません。一度非常勤で収入を確保し、条件をじっくり確かめてから常勤先を選んだ判断を紹介します。

この記事のサマリー

テーマ

手当や業務内容の認識の食い違いで退職を決めたときに、焦って次を決めず、非常勤で収入を確保しながら常勤先を見極める進め方

プロフィール

60代 / 男性 / 外科系
市中病院で常勤勤務 / 手当の支給条件や担当業務の範囲で認識の食い違いが続く


この記事で分かること

✔ 早急に退職したいとき、焦って転職せずに非常勤で働くという選択肢もあること

✔ 非常勤で収入を確保しながら、納得のいく常勤先を見極める進め方

※本稿の事例は、プライバシー保護のため一部改変・再構成して作成したモデルケースです。特定の個人・医療機関を示すものではありません。

手当や業務範囲をめぐるすれ違い ― 積み重なる違和感

外科系で60代のA先生は、長年の臨床経験を生かして地域医療に貢献したいと考え、ある市中病院で常勤医として勤務していましたが、勤務を続けるうちに、入職前に聞いていた勤務条件と勤務実態との間に、少しずつずれが生じていきました。

当初の担当範囲を超えた診療の依頼が増え、当直手当をはじめとする各種手当の支給条件についても、病院側との認識が食い違うようになったのです。病院側にも人員体制などの事情はあるものの、話し合いを重ねても認識の差はなかなか埋まらず、A先生は「このままでは安心して診療に専念できない」と感じ、退職を決意しました。

とはいえ、A先生の気持ちは複雑でした。ご家族の生活を支える立場でもあり、収入が途切れる期間は避けたいという思いから、「一日でも早く次の常勤先を決めたい」という焦りがありました。一方で、確認が不十分なまま決めてしまえば、また同じ食い違いが起きるのではないかという不安もぬぐえません。

「手当や業務範囲の認識がずれたまま働くのは、もう限界だ。しかし、焦って次を決めて、また同じ失敗をするわけにはいかない」

コンサルタントとの面談 ― 非常勤で「確かめる時間」をつくる

A先生が相談したのは、エムスリーキャリアのコンサルタントです。これまでの経緯や、収入が途切れることへの不安、次を急ぎたい気持ち、一方で同じ失敗を繰り返したくない気持ちなどを、率直に打ち明けました。

コンサルタントが気がかりだったのは、A先生が心身ともに疲れており、今の状態で急いで決めると条件の確認がどうしても甘くなってしまいそうな点でした。そこで提案したのが、次のような進め方です。

コンサルタント:「焦って常勤先を決めてしまうと、先生のご懸念通り、事前の確認がおろそかになってまた食い違いが起きかねません。まずは非常勤で当面の収入を確保しながら、時間をかけて次の常勤先の条件を見極めていきませんか。

先生のご経験であれば、非常勤の勤務先は見つけやすいと思います。収入の見通しが立てば、落ち着いて選べるはずです」

コンサルタントの提案は、すぐに次の常勤先を決めるのではなく、非常勤で収入の見通しを立てつつ、納得のいく常勤先をじっくり探すというものでした。

収入を確保して、条件を確かめる ― 前回の反省を生かした事前確認

提案に納得したA先生は、現職で働きながら、コンサルタントの紹介で定期の非常勤の勤務先を探し始めました。収入の確保に目途をつけながら、常勤先は時間をかけて見極める。A先生は、そうして「確かめる時間」をつくっていったのです。

そのうえで始めた常勤先探しでは、前回の反省を生かし、次の3点も確認することにしました。

  • 当直手当などの各種手当について、支給の条件と計算方法が明確に決まっているか
  • 担当する業務の範囲(外来・病棟・緊急対応の有無など)に曖昧な点がないか
  • 面接で合意した内容が、書面として残されるか

これらをコンサルタントから医療機関に確認してもらうことで、転職先をじっくり吟味していったのです。

得られた結果と「一度立ち止まる」ことの価値

複数の医療機関を比べた結果、A先生は手当の規定や業務の範囲が明確な、外来中心のクリニックから常勤の内定を得ました。労働条件通知書の内容を一つひとつ確認し、納得したうえでの入職でした。

現在、A先生は無理のない勤務形態で、これまでの経験を生かした外来診療に落ち着いて取り組んでいます。

「あのとき焦って次を決めていたら、確認が足りないまま同じ失敗を繰り返していたと思います。いったん立ち止まって、非常勤で収入の見通しを立てながら条件を見極めたことが、納得のいく転職につながりました」と、A先生は振り返ります。

まとめ:コンサルタントのワンポイント解説

ミスマッチ後の転職で押さえたい「3つのポイント」

  1. 焦って次の転職先を即決しない
    早く決めたい気持ちが強いときほど、条件の確認が甘くなりがちです。次の転職先を見極める時間を、意識してつくりましょう。
  2. 探している間の収入と時間に余裕をもたせる
    転職先が決まるまでの収入の見通しが立っていれば、焦りに流されずに選べます。A先生のように、非常勤の仕事を先に探して収入の目途をつけておくのも一つの方法です。
  3. 手当や業務範囲などの条件は書面で確かめる
    口頭の説明だけで判断せず、手当の支給条件や業務の範囲が労働条件通知書などに反映されているかを確認しましょう。直接は聞きにくい点は、コンサルタントを通じて確認できます。

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