やりがいがある反面、様々なハードルもある国境なき医師団での活動。職務にもよりますが、一度派遣されると最低でも4週間以上現地に滞在しなければならないため、日本国内の常勤先の医療機関との折り合いをつけるのが難しいと考える医師も多いのが実情です。今回は、新潟県の魚沼基幹病院で産婦人科部長として働くかたわら、国境なき医師団の活動にも参加し続けている鈴木美奈先生に、日本でのキャリアとの両立について伺いました。
医師のキャリアの分岐点となる40代。内科医の平井亜由子氏は40歳で国境なき医師団に初挑戦し、今は活動している国の公衆衛生の一端を担うまでに活躍しています。しかし、1回目の活動を終えたときの感想は「もう二度と行かない」。それでも平井氏が活動を続けるのは、ある理由があります。
医療人類学的な物の見方からすれば、人びとの病気への理解や対処の仕方は、国や文化によって千差万別。グローバル化する社会に生きるわたしたちには、医療の多様性を尊重することが求められています。しかしその一方で、わたしたち医療者には、ときに国や文化を越えて、人びとの病気への理解をひとつの方向へ導かなくてはならない場合があります。
世界各地の紛争地帯や災害地域に赴く、国境なき医師団。その第一線では、各国から集まった医師が肩を並べ、現地の複雑な医療ニーズに応じています。こうした状況下、日本人医師はどのように活躍しているのでしょうか――。
北海道余市町では、海外志向を持つ医療者の受け入れを積極的に行っています。主導するのは、余市病院の森博威氏。「日本と海外を行き来している医師が、帰国時に働ける場所をつくる」というアイデアをどのように実現していったのでしょうか。
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